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地方は未来永劫、持続する

地域創生って?

私は4年間北九州市立大学の地域創生学群に所属していました。そして実習活動で農業をツールとした地域活性化を取り組んでいました。今回のテーマである「地方創生をめぐる現状と課題について」は僕の専売特許と言っても過言ではありません(笑)
その中でも、今回はSustainable Development Goals、通称SDGs(エスディージーズ)を主軸に記述していこうと思います。
ちなみに、「地方」「地域」って記述が出てきますが、基本的に同じものと考えてもらって差し支えありません。日本は、東京じゃないところはだいたい地方です。

まず、地方創生と地域活性化。どちらもよく耳にする言葉だと思います。10年くらい前までは結構特別感があったのですが、最近はどの会社や団体、テレビでも地方創生、地域活性化といわれているように思います。
この地方創生と地域活性化の違いってご存知ですか?

簡単に言うと、地方創生は国の政策。
東京一極集中を軽減して、地方の人口も増やそう!ってやつです。
移住をすると補助金がもらえたり、ふるさと納税をしているのですが、これは国がお金を出しています。他にも、地方で特別指定された活動をすることで国からお給料をもらいながら仕事をする人とかもいます。

一方地域活性化はただの言葉というか、「地域を活性化すること」です。
「地方創生を取り組んでいたら、地域活性化につながった!」みたいな。
移住者が来て地域の人口が増えたり、地域の税収が増えると地域活性化されていると認識されます。

なんのために地方創生するの?

こんなに注目されている地方創生。
目的はざっくり二つ。
一つは、政策にもあるように東京への一極集中を和らげること。
人が集まるところには、仕事があつまり、お金が集まります。ですが、今の東京には集まりすぎなんです。人が集まりすぎたせいで家賃も高いし物価も高いです。もう少し各地方へ分散すれば、家賃も安くなりますし満員電車や待機児童の問題も減ります。
更に、一日東京の電気が止まっただけで700億円くらい損害が発生します。地震で建物倒壊なんてしようものなら95兆円です。国家予算1年分です。
経済的打撃に加え、人が密集しているため災害やテロが起こった時の被害も増えます。
このように一極集中することのリスクを回避する意味でも、地方創生に取り組まれています。

もう一つは、ローカル・アベノミクスです。
アベノミクスによってちょっと景気は回復していますが、大企業くらいにしか影響はなかったので、地方でもちゃんと景気向上していこうってことですね。
この二点が政策としての地方創生です。

活性化している地域の要素

国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会の形成-まち・ひと・しごと創生法


これは、2014年に成立されたまち・ひと・しごと創生法の一文です。具体的にどんな地域社会なら【国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる】のかというと、ヒト・モノ・カネが循環している地域社会だと一般的に言われています。
まず、ヒトが十分に地域に属していないといけません。地域を形作るための人数が一定数以上必要です。次にモノ。資源が無くては仕事になりません。地域を十分形成したヒトが勤める仕事のもとになる資源が必要です。最後にカネ、これは言わずもがなですが必要です。最終的に地域でお金を循環させることが地域活性化の表面的なゴールと言ってもいいでしょう。
人がいて活気があり、資源・仕事があって食い扶持に困らない、そして十分にお金が地域で循環して経済活動も盛んである。これがあれば、地域活性化していると言えますね。

「持続可能」がキーワード:SDGs

ここまで地域創生について長々と説明してきました。
今や各地で行われている地方創生。今の課題は何かと言うと、「持続可能性」です。
地方創生は、地域の問題ですが、同時に国の問題でもあり、個人の問題でもあります。そのため、誰がどう頑張るか見えづらく、協力しづらいのです。地域に住む人は、「地域づくりは国がするもの」と考えている人も多くいますし、行政の人たちも「地域に住んでいないと分からないこともある」とあまり積極的に関わってくれません。官民で溝があります。
他にも、例えば地方で未だに男女で仕事の内容や立場が違うとか、高齢化の進んだ地域では高齢者とそれ以外で分断されていたり、地域間で移住者を取り合っている現状など、とても日本が一体となって地方創生しているとは言える状況ではありません。

これを解決するため、SDGsのアプローチが有効とされています。

スクリーンショット (53)

全部でゴールが17項目あります。一見多いように見えますが、これは独立したゴールではありません。
例えば、「11・住み続けられるまちづくりを」達成するためには、「3・すべての人に健康と福祉を」行き渡らせる必要がありそうですよね?
このように、全てのゴールが繋がり、支え合っているのがSDGsです。
また、SDGsはそれぞれのゴール達成の基準が比較的わかりやすいです。
地方創生はもともと明確な定義が無く、どうなれば地方創生が成されたか基準もあいまいでした。
ですが、例えば日本ともわかりやすく密接な関係がある海について。
「14・海の豊かさを守ろう」というゴールに対して、国連広報はこのような統計を出しています。

スクリーンショット (54)

これは2019年の報告です。数字で算出してくれると、どこを改善する必要があるか非常にわかりやすいです。
このようにSDGsにはそれぞれに目標達成を測る指標として、様々なデータが設定され、公表されています。


sustainable development goalsー持続可能な開発目標
なぜ「持続可能な」開発が必要かというと、地方は存在し続けるからです。
一度目標を達成したら良いというわけでは無く、一人一人が基準を達成・維持することを意識します。

地域の変化と持続可能性は両立する


地域活性化をするためには、結局のところ地域開発を避けられません。
地域にも変化が必要です。ですが、それは地域文化を捨てることではありません。
除夜の鐘にクレームが来て、年越しの鐘の音が無くなる可能性が大きくなっているというニュースを目にしました。
参加する若者がいないため、開催できなくなった地方の祭りもひとつやふたつではないでしょう。
地域の発展には変化が必要です。古い価値観で変化を恐れれば、活性化も望めません。
岩手県で、1000年以上続く裸祭りのポスターが不快だとJRで掲示を拒否していました。夜中、9時間も裸で水をかぶるこの祭りに、「時代錯誤」という声も上がっています。セクシュアルな問題も発生しているみたいです。
僕が活動させていただいていた北九州の過疎高齢地域でも、若者が参加できないため本来の意味を失ってしまった催しもいくつかあります。
それでも、文化を大切にし後世に残していくため、地域の人たちは工夫して今年も祭りを続けています。

「今の時代にあっていないから」と文化を否定し、地域・行政・開発・文化とそれぞれを分けて考えるのではなく、そこに住む人も、生活に根付いた文化も、未来のための開発も、全てが繋がっています。
持続可能性とは、無理に残すことではありません。毎日変化する現代日本で、文化を生活をより良くするための持続可能な開発なのです。
このように、変化と持続可能性を両立させつつ、今後さらに発展させていくことが地方に求められています。

最後に

地方創生、地域活性化については、数千字では到底書き尽くせません。
僕は、将来地元である愛媛県の町に帰って、地域活性化に繋がる活動をしたいと考えています。人生80年時代と言われます。この先何十年も地方で楽しく生活するのに、先述したSDGsの考え方はとても大切だと思います。
たった4年間ですが、地域で様々な活動をさせていただきました。地方創生に興味がある人、ぜひ語りましょう。そして地方を一緒に作りましょう。
最後に、毎年新入生向けに行っている実習のプレゼンの様子を貼っておきます。こんな風なことをしてるんだーってことが雰囲気分かります(笑)
良ければ見てみてください(^▽^)/ 



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