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5分で描ける、画力いらずの万年筆イラスト5選【2020年夏】

ここは楽画教室のB面、路地、舞台裏、控え室そんなところです。

万年筆は筆記具、文字を書く道具です。でもちょっとしたときに付箋や一筆箋、はがきなんかに小さな絵を添えられたらステキですよね。なんだかんだと自宅にいる時間が以前よりは増えているなかで、ちょっとひと手間かけてメッセージをおくってみませんか?

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今日はそんなときにさらりと絵心なしで描ける万年筆イラスト図案を5つ、選んでみました。テーマは「かき氷」「木と空」「金魚」「背景のある植物」「名もなき花」の5つです。完成品を見ると一見難しそうですが、どれも慣れれば5分以内で描ける内容になっています。

それぞれに作画動画を作成していますので、是非挑戦してみてください。

道具の紹介

こちらが今回使用する道具です。

道具一覧

万年筆(お好きな万年筆でOK)
万年筆インク(お好きな水溶性インクでOK。顔料インクでは難しいです)
水筆(記事内では中字の水筆を使っています)
一筆箋神戸派計画「グラフィーロ」の一筆箋を使っています)
マスキングテープ(お手持ちのマスキングテープでOK)

※ドライヤーがあると作業が手早く進められます。
※ティッシュやキッチンタオル、雑巾などもご用意ください。
※あと、水…を少々。

1つ目、かき氷

インク:PILOT 色彩雫 天色

作画上のポイントは2つ。
(1)器の色をぼかした水筆で、そのまま「氷」を塗るところ
(2)氷の色が乾かないうちにインクの原液でシロップ塗る
です。
こうした小さな絵では「少しだけインクの原液を使いたい」という時があります。そんんた時は是非インクキャップの裏についたインクを使っちゃいましょう。

2つ目、木と空

インク:TACCIA すなおいろ・インク 靑

作画上のポイントを3つ。
(1)雲に重ねて木を描いてOK。水筆でぼかす際に重なりは気にならなくなります。
(2)木は光のあたっているところに白を残しておきましょう。
(3)最後の鳥。ちょっと入れるだけで絵に動きがでます。是非描き足してください。

木や雲は無難モチーフNo.1です。絵のそばに「また会いましょう!」とか「いつもありがとうございます!」といったメッセージを入れるとさらにGood! ただし、後ろの入道雲は夏限定ですからご注意を。

3つ目、金魚

インク:Pelikan エーデルシュタイン ガーネット

作画上のポイントを3つ。
(1)描き始めは「適当な丸にヒゲと目をつける」くらい気楽に描くと丁度良くカワイイ形になります。
(2)金魚のお腹は白く残しておきましょう。
(3)尻尾はこの絵よりも大きくてOK。好きなだけ遊んでください。

手順が少々複雑なので、今回の5つの図案の中で一番難易度が高いモチーフになります。が、これが描けると、他のちょっとした魚類も描けるようになるので、お好みでアレンジして遊んでみましょう。

4つ目、背景色のある植物

インク:Sailor 四季織 若鶯

一見おとなしい作例に見えますが、、、新しい技法が使われています。
「マスキングテープにインクを置いて、そのインクをぼかす」という手法です。

万年筆でインクを置く場合、どうしてもペン先が紙に触れる「筆致」が水でぼかした後も残ってしまいます。するとせっかくふんわり薄く色を敷くはずが、少しざらついた絵になっちゃうんですね。そこをこの手法で解決できちゃいます。

背景色で自然な「面」をつくれるので一筆箋全体の雰囲気を変えられるのもいいですね。色や木の形を変えて挑戦してみてください。

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作画上のポイントを3つ。
(1)マスキングテープはしっかり貼る
(2)キチンとぼかす。
(3)木はシンプルな絵で良いですが、丁寧な線ではっきりと。

5つ目、名もなき花

インク:Sailor 四季織 夜焚

「名もなき花」は言ってしまえば絵の花…フィクションの花です。なんとなく花に見えていればOKで、花びらの形なんかはラフに描いてもそれなりにキレイに見えるところがとても描き手にやさしいですね。

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先にインクを置いて、水筆で色を広げて花びらを描く描き方は、「ふちのこし」という技法を応用しています。外側に向けて色が薄くなるので、明るい色合いの花ととても相性が良いのです。

作画上のポイントを3つ。
(1)1輪だと寂しいので2輪以上描きましょう。
(2)茎や葉の線はゆるい形で丁寧に描くとオシャレです。
(3)ゆるい線の足元を揃えるためにマスキングテープを貼っています。その結果、ゆるい絵が締まります。

まとめ

以上5点の万年筆イラストを紹介いたしましたが、いかがでしたか?

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簡単そうで難しい。難しそうで意外と簡単。そのあたりのさじ加減で図案を考えました。

いずれも、ワークショップなどで「はじめて万年筆を触る」「ふだん絵を描かない」方々がその場で描ける難易度を想定しているので、実際に挑戦してみたらきっと描けると思います。

ちょいと宣伝になりますけれど、水筆を使った「ぼかし表現」など万年筆画の基本になる手法は拙著「万年筆ラクガキ講座」エイ出版社でも詳しく解説しています。電子版もありますので、ご興味がありましたら是非ご一読を!

また、インクだけでなく、色々な画材で楽しく作画の勉強ができるマガジン「絵本作家の楽画教室」もスタートしています。他の画材を知ると、万年筆インクが「画材」としても優れた道具であることがよくわかります。こちらもよろしくお願いします。

5分くらいで「ササッと」描ける絵って楽しいですよね。
また季節が変わりましたら、こんな感じの企画をやってみようと思います。

ではではみなさま、ごきげんよう!







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