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歩き遍路 海岸をただひたすら歩く その②

はるる亭を7時くらいに出発し、今日も海岸線をひたすら歩く、歩く。
今日も目指すのはお宿。室戸岬にある次の札所「最御崎寺」はとても遠い。

このエリアからは、今までよりもさらに上をいく何も無さである。
コンビニなんてものはあるはずもなく、なんならトイレもほとんどない。

あんまり綺麗な話じゃ無いからお食事中にこの記事を読んでいる人がいたら申し訳ないのだけれど、薬王寺〜の海岸線沿いを歩く人は覚悟してトイレの管理をした方がいい。本当に無いところには無いから。
公衆トイレやお店のトイレ、休憩所や道の駅のトイレは見かけたら必ず行こう。
お水を飲む量も、トイレが無いエリアでは少し控えめにした方がいいかも(もちろん脱水にならない範囲で)。
最悪の場合、近隣住民にお願いして民家などで借りる覚悟が必要になってくる。
おトイレ近い族からこそ、言わせてもらう。
みんな気をつけて。特に女性は。

もちろん飲み水も自販機などが合った時に計画的に確保する必要がある。
お昼ご飯も、手に入るところで買っておくのが吉だ。(最悪食べ損ねる)

出発から1時間ほど経った8時頃、
県境を超えた。

旅の舞台は、徳島から高知へ。
四国遍路では、徳島は「発心の道場」と言われる。
お遍路をしようと思い立って、準備して、心構えを学ぶ場所という意味だ。

一方、高知は「修行の道場」と言われる。
札所と札所の間は長い長い海岸線。
かと思えば山道。

自然豊かな僻地を、踏ん張って旅するこの高知の土地は確かに「修行」かもしれない。

序盤の宿で何度もご一緒したご夫婦や、お姉さんたちもすっかり見かけない。
それどころかここ2日くらい歩き遍路さんを見ていないのである。

生半可な覚悟で挑んだ人や、区切りで打つと決めた人は徳島の札所で一区切り。
ひと休みとばかり地元へ帰ってしまう。

そうじゃなくても、ここからは電車やバスを使います、と歩きだけで行くことを諦めてしまった人もいる。
本当に耐えかねる人も出てくる修行の日々なのだ。

……とはいえ私は「海きれいだなー」的にお気楽に、歩ける限りは歩こうと思っている。
怪我や足の限界がきたら、いつでも愛媛に帰れるし、電車を使うのも仕方ないと思っているけれど、歩ける限りは歩く。

高知の海は本当に「荒波」。波が激しい日は飛沫が国道まで散ってくるそう。


今日はちょうどよく宿に着く。
16時ごろ。

今日の宿は他のお遍路さんにも評判がとてもいい、リピ間違えなしとの宿「ロッジおざき」だ。

これは遡ること数日前、焼山寺の境内で
赤い錫杖を持ったお遍路さんに聞いた。
この錫杖を持っている人は「公認先達」さんだ。
四国遍路を4回巡り、どこかの寺院に推薦をいただいて研修を受けて初めて名乗ることを許される「お遍路の先輩」さんの証。
その人が「まだ決まってなかったら高知ではロッジおざきに泊まりなさい」と(聞いたわけでは無いけど)教えてくれた。
これはいい情報と思った。

ご飯も美味しいし、お宿の人は親切。
本当にいいところ。

お刺身がたっぷり載った晩御飯
この後さらに小鉢の追加とおつゆと茶碗蒸し等が運ばれてきた。


そして、このお宿では、「山茶花」でもお会いした男性のお遍路さんと、最近区切り打ちを再開したという女性のお遍路さんと、区切りでバス遍路をされているご年配のご夫婦と一緒になる。
約2日ぶりにまともにお遍路さんと同宿になってなんとなく嬉しくなった。
コミュニケーションが積極的に取りたいというほどでも無いけれど、お遍路のことはお遍路に聞くのが1番確実である。
夕食後、お寺や遍路宿の噂で大盛り上がり。
結構楽しい空間だった。

明日は、最御崎寺にたどり着く予定。
明日以降は「休足日」として少しだけ余裕があるスケジュールを立てている。

室戸岬の観光も一緒に楽しめるといいな。



33.23km 49225歩
はるる亭〜ロッジおざき

※歩数計アプリが算出した数字なので実際とズレがある可能性があります

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