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「なんとなくかっこいいから」で選択してきたこれまで

フリーランスって、響きがかっこいい。

「フリーランス目指してます」って言うと、大抵の人に「かっこいい」と言われる。一匹狼、挑戦者、独立志向。フリーランスはそんな芯の強いイメージがある。そのネームバリューに憧れたし、「フリーランスって言いたい!」気持ちもあった。


思えば私が何かを目指す動機のひとつには、「なんとなくかっこいいから」が必ず含まれていた。

たとえば大学受験のとき。いや、その前の文系理系の選択から。

私は数学・英語が得意理科・国語が苦手という、なんとも自分を文系理系で分け難い状況だった。興味がある学部も、国際学部か農学部。

どうすればいいか悩んでいたところ、当時の担任が国立の農学部を勧めてくれた。それを後押しするように、私の中で「理系ってなんだかかっこいい」というイメージが膨らむ。

女子校だったので理系の女子はそう珍しくないが、「国語は嫌いだし」「理科は不得意だけど嫌いじゃない」といろいろ自分の中で折り合いをつけて、2年生から理系の道に進んだ。

さらに3年生になり、「かっこいいし好きだから」という理由で物理を選び(農学部志望で生物を選択しないなんて、かなり変わっていると思う)、「かっこいいし箔がつく」という理由で意地でも国立大志望を貫いた。


「かっこいい」という単純な理由で選択してきた道は、かなり茨の道だった。

理系を選んだのはよかったが、物理を選んだあたりで自分の意地が入ってきた。難関私立大の推薦入試を受けられると直々に担任から声をかけられたのに、それを蹴ってまで当時E判定(合格率5%未満)の国立大学を目指したのは、意地より固執だった。

「後悔」と言うほどではないけれど。もちろん、それを目指して頑張っていた自分は今の糧になっているけれど。

「かっこいい」だけを軸にすると、本当に目指している大切なことが見えなくなってしまう気がする。「自ら茨の道を選択する自分がかっこいい」と酔っているだけな気がする。

フリーランスを「かっこいい」と思う自分に、自戒の意味を込めて。

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