ニチアサの話がしたい vol,74
■今週のリバイス
・「心配」の功罪、「救済」の災い
出だしから暗い話をして申し訳ないが、この連載でも何度か書いているとおり、私は中学時代、スクールカースト上位のクラスメイトと、彼女たちとグルになった担任からいじめを受けていた。私を無視するようクラス中に命令される、聞こえがよしに悪口を言われる、外見や声などをからかわれる、根も葉もない噂話を流される、私物を隠されたり盗まれたり破損されたりする、体育の時間にわざとボールをぶつけられる等々。こうして書いていても、いまだに真冬の校庭で後ろからボールを当てられた時の、「ドンッ!」という衝撃や視界の揺らぎ、地面に手をついた時の砂の冷たい感触、遠くから聞こえてくる「当たっちゃったぁ〜?ごめんねえ」「どんくさいのがいけないんだよお」などという笑い声が鮮明に蘇ってきて胃の奥から酸っぱいものが込み上げてくる。もう何十年も経つのに。
その当時は周囲から「大丈夫?」「学校行けてる?」などとあからさまに心配されればされるほど「私とは違う、かわいそうな境遇の子」として同情されているようで腹が立ったし、何よりそんな風に言われる自分がみじめだった。いじめも心配も、性質は真反対なれど、それは結局のところどちらも私を独りぼっちにさせることに変わりはなかった。
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