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ニチアサの話がしたい vol,121

■今週のギーツ

・メタ構造の「リアリティーライダーショー」

 ある日突然、わけも分からず戦いに巻き込まれた一般人、桜井景和の目線で始まり、毎話謎が謎を呼んできた『仮面ライダーギーツ』。年内最後の回となった16話「謀略IR:キツネ狩り」は、大きな謎の一つであった「DGPとはそもそも何なのか?」という問いに対し、それが「次元を超越したリアリティーショーである」ことがついに明かされた。自分にとってはただ一つの現実を生きているつもりが、実はそれは大衆によって娯楽として消費される『見せ物』に過ぎなかったというのは映画『トゥルーマン・ショー』を彷彿とさせる大どんでん返しだが、16話ラストに表示された「DGPルール:デザイアグランプリはスポンサーとオーディエンスに愛される、リアリティーライダーショーである」という文章は、言うまでもなく、そのまま世界中にファンがいるこの仮面ライダーシリーズ自体にも当てはめられることでもあり、「見逃さないよ。君たちの生き様も、死に様も」と画面の前で楽しげにつぶやくジーンは、キャラの生死に一喜一憂し、新人俳優たちの日々の成長を盆栽を愛でるかのごとく愉しむ我々「ライダーオタク」の象徴のような存在にも見えて、またそれを「ライダーオタク」を公言する鈴木福さんに演じさせるところまで含めて何ともメタい構造である。DGPの関係者に全て「目」に関するコードネームが与えられているのは、プレイヤーである仮面ライダーたちを「監視」する役割だからかと思っていたが、それ以上にあらゆる次元からの「視聴」を司る機関であるから、ということだ。

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