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ニチアサの話がしたい vol,44

【今週のゼンカイジャー】

 「傷付いた顔が美しい」、というのは芝居の世界において最も罪であり、その俳優が持つ最も大きな魅力ではないだろうか。映画「ディア・ハンター」で、ベトナム戦争で心を病んだ兵士を演じた若かりし日のクリストファー・ウォーケンにしろ、母親を探すために男娼となった「マイ・プライベード・アイダホ」のリヴァー・フェニックスにしろ、繊細で儚げで、常に薄暗い影がつきまとっているような存在感に目が離せなくなると同時に、心のどこかでその人が傷付いた瞬間の顔がまた見たいとつい願ってしまうような俳優に、今も昔も人々は魅了されてきた。そして、今週の機界戦隊ゼンカイジャー第14カイ「決闘!ゼンカイVSツーカイ」を観てつくづく思ったが、ステイシー役の世古口凌さんも、そういう魅力を持った俳優さんである。

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