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ニチアサの話がしたい vol,104

■今週のリバイス

・バイスの契約と、かりそめの裏切り

 『リバイス』が始まった頃、「この悪魔は、一体いつ一輝を裏切るのだろう」と毎週戦々恐々としていたのを思い出す。だって裏切りは仮面ライダーの代名詞だし、過剰におちゃらけて接してくるバイスには、本心では何を考えてるか分からない不気味さが漂っていたし、一輝はお人好しですぐ騙されそうだし。だけどバイスは結局、「どうせコイツはいつか裏切るだろう」という大方の予想自体を「裏切って」、最後の最後の最後まで一輝のことを裏切らなかった。「元の悪魔に戻る時がきた」なんて嘯いてどんなに悪ぶってみても、恐怖の血みどろを演出してみても、それは全部一輝のためだと一輝以外の全員が分かっている。だからこそ観ているこっちも「あのさあ、バイスが一輝のこと本気で裏切れるわけないじゃん。てかそれ、ケチャップでしょ?」と、シリアスな戦闘シーンに手に汗握っているのに、同時になぜだかちょっと笑いもこみ上げてきてしまうのだ。「家族」だから、大切な存在だから突き放さければならないバイスの悲しすぎる覚悟に泣きつつ、でも「やっぱケチャップかよ!」と笑いながら、ああ、いつから自分は、こんな風に手放しにバイスのことを信頼できるようになっていたんだろうと、バイスではなく自分自身の気持ちの変化に驚く。でもそれは多分、私だけでなく全ての登場人物に、そして多くの視聴者に起こったであろう変化であり、だからこそ今週のリバイス第49話『戦いの果て、残ったのは悪魔だけ…』は、切なくてかなしくて、でもずっとどこか温かだった。

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