『ジェンダー目線の広告観察』について
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2023 年 9 月上旬発売
ISBN978-4-7684-5950-8
A5 判 並製/ 184 頁(16 頁カラー)
定価 2000 円+税
(株)現代書館TEL:03-3221-1321 FAX:03-3262-5906
お問い合わせ先 営業部 根岸夢子:negishi@gendaishokan.co.jp
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著者 小林美香 (こばやし・みか)
1973 年生まれ。国内外の各種学校/機関で写真やジェンダー表象に関するレクチャー、展覧会を企画するほか、雑誌やウェブメディアへの寄稿など、執筆や翻訳に取り組む。東京造形大学、九州大学非常勤講師。 『現代思想 2021 年 11 月号』(青土社)「特集=ルッキズムを考える」や雑誌『IWAKAN』に寄稿。著書に 『写真を〈読む〉視点(』単著 青弓社、2005)、『〈妊婦アート〉論:孕む身体を奪取する』(共著 青弓社、2018)。
目次紹介(章/概要/節)
第1章 広告観察を始める前に ジェンダー表現とメディア
そもそもジェンダー表現とは何か?社会の中でどのような役割を果たしているのか、ということを整理します。
ジェンダー表現とは
トイレのピクトグラムから考えるジェンダー表現
消費社会とジェンダー表現
写真と言葉の関係を注視することの重要性
第2章 広告観察日記
Twitter、Instagram、Facebookで投稿してきた広告観察から30点を抜粋。オリンピック開催前からコロナ禍を経る社会の記録でもあります。
第3章 脱毛広告観察 脱毛・美容広告から読み解くジェンダー、人種、身体規範
2010年代に激増した脱毛広告を、その表現の変遷と社会的背景との関係から読み解きます
脱毛広告観察を始めた経緯
コンプレックス煽り型の広告と「脱毛一択」
「私らしい」表現とボディ・ポジティブ、ガール・パワーの変節
五輪広告とSDGs 広告における「多様性」表現の捻れ
コロナ禍を経る脱毛広告
第4章 「デキる男」像の呪縛を解くために
男性の表象が「炎上案件」になることはほとんどありませんが、「デキる男(社会的成功者としての男性像)」の変わらなさこそが問題なのでは?
男性脱毛広告と「デキる男」像
「デキる男」と「正論おじさん」
「デキる男」像の変わらなさ
ホモソ・ホモエロCMに見られる男性中心社会を分析する
第5章 性感染症予防啓発は誰のため?――広報ポスターから考えるこれからの性教育
性教育の重要性が説かれる昨今ですが、「性」に関わるコミュニケーションのあり方に大きな課題があるのでは?
性感染症の予防啓発広報に着目する理由と経緯
日本における性感染症予防啓発広報が内包する問題
エイズ・ポスター・プロジェクト(APP)が提起した視点
世界各地のHIV/AIDSキャンペーンの展開とセクシュアリティ教育(包括的性教育)
第6章 対談:広告だけに文化の全てを担わせてはならない
小林美香 × 笛美
2007年から広告制作の現場で仕事をしてきた笛美さんとジェンダー問題、広告業界の構造的な問題、広告と社会の関係を語っています。
おじさん社会としての広告業界
広告業界のジェンダーバランス
広告産業の構造変化 世代による分断と乖離
広告産業の肥大化と公共性の欠如
広告で培ったノウハウを政治への関心喚起に活かしたい
第7章 対談:広告と公共性 消費者教育のためのメディアリテラシー
小林美香 × 尾辻かな子
国会議員として仕事をしてきた視点から、表現と公共の関係、消費者教育とメディアリテラシーの重要さについて語っています。
ゲーム広告と美容・脱毛広告の共通点
公共広報と商業広告の境界の曖昧さ 狙われる若年層
広告が塗り込める公共空間の景色と白人偏重の広告産業
企業活動に侵食され、壊される公共空間
第8章 「写真歌謡」試論
歌詞に写真に関わる言葉が登場するポピュラーソングやMVを通して、写真、見る/見られることとジェンダーの関係を考察します。
そもそも、「写真歌謡」とは?
写真歌謡の金字塔 「君は天然色」
1990年代以降 フィルムの時代からデジタル写真への移行期 撮影行為の前景化MVにおける写真の位置づけ ソーシャルメディアと音楽と写真
過剰な画像とアテンションにどのように向き合うのか K-POPと 写真歌謡の最前線
装丁について
カバー作品 ジョン・ナファン(1984–2021) ‘The Parade of Colors', (2019)
自身の性的アイデンティティに基づいて、若年層の性的少数者、軍刑法第92条6、HIV/AIDS、ドラァグアーティストなどを主題にクィアコミュニティと多様な人権問題をグラフィックと絵画、映像作品を通じて発表。デザイナー 潟見陽(loneliness books)