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「食べる」「駆除する」のボーダーに、未利用資源 のおいしさが詰まってる。

あまから手帖 連載「食からSDGs」2022年 4月号より
バックナンバーは
https://www.amakaratecho.jp/ より購入できます。

日持ちが悪い、供給が不安定、認知度が低い、不恰好 ... 。 どんな地方にもある、そんな理由で市場に流通していない海や山の幸 ―― 知られざる未利用資源に、光を当てる取組みが進んでいる。

ジャマモクーーー
そう呼ばれて嫌われ ていた野生の海藻が、スーパーフードと して注目されている。
海の雑草を地産 ブランド「伊勢志摩アカモク」に育て たのが「シマレイ」の石川隆将さんだ。
きっかけは2011年の東北地方太 平洋沖地震。伊勢志摩でも津波の影響 で養殖家の生簀がひっくり返る被害が 出た。

「漁業の持続可能のために、多様性が必要」と、石川さんは、地元で 利用されていないアカモクの商品化を 提案した。高級海産物で名高い伊勢の ベ テ ラ ン 漁 師 か ら は 「海の“ 雑 草 ”を 売 る なんて恥ずかしい」の声もあがったが、石川さんは 地元の若手漁師たちと、自ら事業を立 ち上げた。
テレビで健康食のイメージ で紹介されたことも手伝い、今や年間30t出荷する伊勢の新名物だ。

石川さんがこの未利用資源の可能 性に着目できたのは「岡目八目」、つ まり漁師でないゆえの“陸”からの視 点だった。

その目は今、ほかの海の未 利用資源にも向かっている。
「獲れすぎた、市場価値がない、そんな理由で 捨てられている海産物はいっぱいあります。それをどう美味しく流通させる か? が社会課題。今までは、人が食 べるものを選んでいましたが、これか らは人が、見つけたものをどう有効利 用するかが重要だと思います」。

シマレイ(有限会社伊勢志摩冷凍)
昭 和 4 7 年 に 、冷 凍 食 品 販 売 業 と し て 創 業 。伊 勢 海 老 、牡 蛎、ヒオウギ貝など鮮魚、魚介類の販売、冷凍調理品など も手掛けている。


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