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食ロスを還流させるスーパーから、モンダイは生産・消費だけじゃないことを学ぶ

あまから手帖 連載「食からSDGs」2022年 2月号より
バックナンバーは
https://www.amakaratecho.jp/ より購入できます。

農林水産省によると、日本の食品ロスは 643 万トン。
これは全世界の ODA 食糧援助量 320万トンの倍の量で、世界第4位だ。 便利さと裏返しの負のコスト= 食品ロスに新しい食品流通で取り組んでいる店がある。

広い店内に積まれた段ボール箱。
ス ナック菓子や調味料、業務用の食材からワインまで。『ecoeat大津瀬田 店』に並んでいるのは、廃棄予定だった のを買い取るか、引き取って破格で販売している食品 だ。その量たるや圧巻。まるで倉庫である。

「このぐらいの規模にしないと、採算が合わないんです。食品の価格って、 運搬費用のウェイトが大きいんです」 と、理事の橋本広宣さん。

陳列は、あえてパレットに積んだまま。うず高い物量は、これだけ多くの食品が、工場、倉庫、店舗へと コストをかけて運ばれ、開封もされず にゴミになるために再び運搬されよう としていたことを証言している。

廃棄の理由は、多くは賞味期限(「賞味期限」は、未開封保存で「美味しく」食べられる期限で、期間内の販売 が推奨される。対して弁当などに表示される「消費期限」は、過ぎれば食べない方が良いとされ、期限後 の販売は安全上問題があるとされる)。

小売店では期限が近くなると店頭 から下げ、ストックも廃棄されるが、安全でおいしく食べられるものもある。ecoeatでは、そうしたものを吟味して販売している。

「まず、賞味期限を 過ぎる=食べられない、ではないとい うことを広めたい。そして、廃棄され るものを再度、販売するような物流の 開拓を目指しています」。
これまで、物流は、欲しい物がいつでも手に 入る豊かさを目指して、発達してきた。これから生まれようとしている新しい物流 は、その便利さが生んでしまう無駄 の中から、持続可能な食品を手にするという選択肢を 運んでくる。

ecoeat 大津瀬田店
『 ecoeat』はNPO法 人日本もったいない食 品センター が 全 国 に 1 5 軒 展 開 す る 食 品 ロ ス 削 減 シ ョ ッ プ 。メ ー カ ー な ど か ら 集 め た 廃 棄 、余 剰 の 食 品 を 、福 祉 施 設 や 個 人 へ 寄 付 、 配 布 す る 活 動 も 行 う 。大 津 瀬 田 店 は 2020年にオープン。● 大 津 市 萱 野 浦 2 4 - 6 5 レ イク サ イド ガ ー デ ン 内 コ モ ン ズ 棟1F


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