古いおうち


かつて
この家で
3世代が寝起きし
生活を支える
おかいこ様の世話をし
田畑を守り
この場所から離れる選択肢はなく

朝は皆で家をきよめ
何でも皆で 話し合う家だったという
山々に囲まれ
近くに店などないのだから
洋服から何から手作り
靴だけ、お正月に買ったそうだ

馬小屋だった農機具庫
音のずれた足踏みオルガン
箱階段は屋根裏へ続く

長い間 男の子が生まれず
2代にわたって娘が継ぎ
婿さんを迎えた
外で稼ぎ 家の世話もする
献身的な婿さん

昔より規模は小さくとも
畑の世話をし 家の世話をし
近所のばあさまからも
「畑の作り方で人柄が見えるよ」と
ほめられた

このあたりじゃ、
名字はみんな一緒さ
下の名前にちゃん付けで呼ぶ

末裔には男も女も生まれたが
末の娘は嫁いでも名字を変えず
家を守っている気分でいる


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