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【キャンプ①】アスレチックにて息子は母を置いてった


先日、家族で栃木県の方にキャンプに行ってきた。


子どもたちの心を、大自然の力を借りて解放させてあげたいと思った。
体を動かして全力で遊び、満天の星空の中、最高の笑顔が見たいと思った。

何ヶ月も前から予約していて、子どもたちの体調にハラハラしながらも指折り楽しみにその日を待っていた。


が、天気予報は雨。
毎日チェックしていても、変わらぬ雨予報。

っくぅーー


しかし、蓋を開けてみれば、当日はぎりっぎりの曇空。
まぁ、星空は望めなそうだけど外のアスレチックは遊べそうだ。


アスレチック。


そう。私は密かにこのアスレチックをめちゃくちゃ楽しみにしていた。子どもたちに母はズッコケて血だらけになったけど、本当はまだまだいけるんやでー!って姿を見せたかった。日々疲れ切っている私だけど、珍しくやる気に満ち溢れていた。

今なら言える。「mika、無理するな」と。



途中休憩入れての4時間のドライブを経て、無事に到着。
山々に囲まれて、空気も美味しく、施設も綺麗。広々していて開放的。
今にも降り出しそうな天気をのぞけば既に満点。子どもたちも嬉しそうだ。


パークチケットを受け取り、いざパークへ。


パーク内は、大きなアスレチックが2箇所。
室内の巨大ネット。その他、車やバイクに乗って遊べるところや、公園まであった。


まずは、あのアスレチックだ!
さぁ遊ぶぞ!

かかってこいや!

最初のアスレチックは迷路になっていた。

長男が、「お父さんは僕とこっち!お母さんはあっちね!」と、私と次男を置いてとっとと行ってしまった。

え、一緒に行くんとちゃうの?

何を隠そう私は重度の方向音痴。
しかも、相棒は次男だ。


迷路・・・
不安しかない。


って、思ってるうちに、次男がぴゅー!と行ってしまい早くも置いていかれた。


ま、ま、待ってぇ


必死に追っかける母。


小さい穴をくぐったり
板をまたいだり
体をそらせたり
飛び越えたり


それはそれは容赦ない。


どんどん進む次男。


待ってぇぇ


思ってたんとちゃう。
はぁ、はぁ、はぁ、
かなりキツイぞ、これ。
え、ここくぐるの?
腰!腰にくるこれ!


必死に次男の背中を追う母。

アレ?
さっき、ここ通らなかったっけ?

ほーらほら
迷っちゃったよ、これ。


私が進路を考えてるってのに、また、ぴゅー!と行っちゃう次男。
さすが、なにも考えない男だ。


チロリンと夫からLINEが届く。


『こちら終わりました』


え、もう?


4階くらいまであるこのアスレチック迷路。
私と次男はぐるぐるぐるぐる同じ所をまわり、夫から連絡来た時はまだ1階にいた。

もう、待ってられないと長男が言うので、別の遊び場に先に行ってもらうことにした。


全然、上に登る階段が見当たらない。
重度の方向音痴の母と、何にも考えないでぴゅー!と行っちゃう次男。

辿り着けるのか?

とにかく上だ!上へ上へと進むんだ!
っていうか、進むも何も階段が見つからない。


私は、ぴゅー!と行っちゃう次男の首根っこを掴んで、信頼できそうなファミリーに狙いを定め、しれっとついて行くことにした。


私は、こーゆー時の勘は結構当たるのだ。

予想的中。


見事にゴールまで辿り着いた(着かせてもらった)。


ゴールで、カーンと鐘を鳴らし、上から下まで続くぐるぐるの滑り台を次男と滑った。

そぉ〜れぇぇ


想像以上に滑り台はぐるぐるしていて、私の三半規管は悲鳴をあげた。


夫と長男と合流し、もう一つのアスレチックへ。結構ハードな内容らしく、対象が小学生以上となっていた。長男の相棒に選ばれたのは・・・私であった。
まだ幼稚園の次男は夫と他の遊び場へ。


ッシャーーーーーーー!
見てなさい!母の軽やかな動きを!!


今なら言える。「mika、無理するな」と。
沿道でズッコケたことを忘れたのか?と。


受付を済ませ、いざ!


おおっ初っ端から結構攻めてくるなコレ。

足裏サイズくらいの葉っぱの上を進んでいく。


「足を地面につけちゃいけないみたい!」


と、ぴょんぴょん行っちゃう長男。


え、早っ
ちょっとお待ちなさい!



ほっ
よっ
よいしょー!
それっ


アレ、おかしいな。
重い
体が重い

鉛ついてる?私の足。


もたもたしてたら、後ろから別の少年が攻めてきた。

抜かされるわけにはいかねぇ。

私の中の小さなプライドが顔を出した瞬間だった。


私は先を急いだ。

後ろから攻めてくる少年。


早い!
早いぞ!
なんで子どもはこんなに軽やかなんだ!

ほっ
ほっ
それっ
よいしょー!


私は地面に足がつかないように(まじめ〜)懸命に次から次へと飛び移った。


チラッと後ろの少年を確認すると、


明らかに、私を待っていた。


え、なんかごめん!
駄菓子菓子、
君に抜かされるわけにはいかない!

私のちっぽけなプライドがそれを許さなかった。

小さいぞ!小さすぎるぞmika!!


私は頑張った。

急げや急げ、よいしょー!
急げや急げ、よい・・・・


しょーーーーっ?!

あうっっっ



私は、足先の指を攣ってしまった。

あうぅぅぅぅぅ・・・・・
靴下の中で全足指がビーンッてなってる。


あ、お先にどうぞ。


私はスッと手を差し出し、おとなしく行く手を少年に譲った。


ペコっと律儀に頭を下げて、軽やかに少年は去って行った。


少年よ、健闘を祈る。


ってゆーか、長男!長男どこ行った!?


完全に置いていかれた。


攣った足先を誤魔化しながら急いだ。

すると、長男が先の方で待っていてくれた。


「お母さん遅いよ!ほら、行くよ!」


え、なに、かっこいい。
いつの間にこんなに逞しくなったんだ。

エイッ


と長男はどんぐりに飛び乗ると、あっという間にまた母を置いて行ってしまった。



待ってぇぇ


よいしょー!


私もお調子にのり、どんぐりに飛び乗った。


あうっっっ


今度は、なんとお腹を攣ってしまった。


お腹攣るって、そんなことあるーーーーーーー


腹筋がギュンッとなりながら、どんぐりに乗って運ばれて行く私。


痛い。
足先攣るわお腹攣るわで、もう攣りまくってる私。どんだけ運動不足やねん。


長男、長男はどこだ!どこ行った!


またもや、先の方で長男が待っていてくれた。


なんか、ごめん。


完全に足を引っ張る母。

でもさ、楽しいね。
全力で体を動かして遊ぶのって楽しい。
攣ったけど。


何よりも嬉しかったのは、息子の成長を感じられたことだ。
母を置いて行くなんて、今までじゃ考えられなかった。
私が側にいないと、どこにも行こうとしなかったのに。


私の手なんて、一度も握らなかった。


その長男の成長が、ただただ嬉しかった。


少しずつ、少しずつ、長男のペースで階段を上っている。

確実に。


嬉しい。


こうした体験が、きっと長男を強くする。


頼もしい長男の背中を見つめながら、胸が熱くなった。


と同時に、

自分の運動不足を何とかせねばと、攣ったお腹をさすりながら必死に長男の後を追う母であった。

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