息子の頭の中に入りたい

【昨日のはなしと、今日のはなし】

静かだなぁ。

とても、静かだ。

外、雨降ってるなぁ。

関東は、梅雨入りしたもんなぁ。

昨日、日曜日、私は家で一人の時間を過ごさせてもらった。
主人が、子供たちを外に連れ出してくれたのだ。

ありがたい。
本当に。

心の底からホッとした。

外で一人でお茶したり、買い物したり、友達と久しぶりに会ったり、とかも
気分転換になるけど、

今の私は、

「家で一人になりたい」

と、願ってしまう。

静かだなぁ。
ふぅーと息を吐き、しばらく雨の音を聞いていた。

この静寂に、ホッとする。

何よりも、息子が家から外の世界に出て行ってくれたことに、
ホッとしている。

あちこちに転がっているトミカやスーパーボールを拾い集め、
紙飛行機を片づけ、放ったらかしの段ボールで作った作品たちをまとめて、

掃除機をかけ、

棚の上に置きっぱなしになっている息子が描いた絵をまとめて、
それを眺めていたら、

勝手に涙か出てきた。

そして、気がついたら嗚咽するくらい泣いていた。

私、結構、しんどかったんだな。

家の中の静寂が、気づかせてくれる。

午前中、買い物に出かけて帰宅してから、
コーヒー片手に録画してあったドラマを見た。

セブンイレブンの冷凍ピザを、
これまたドラマを見ながら食べた。

それから、

ソファでちょっとうたた寝をした。

至福。

あっという間に時間は過ぎ、
あっという間に帰ってきた。

束の間の静寂よ、さようなら。

さて、夕ご飯の支度するか。

あいみょんの曲を流しながら、玉ねぎを切る。

『生きて生きて生きて生きて生きて
　生きて生きて生きていたんだよな』

の歌詞に、また、涙が出てきた。

あれ。
何でだろう。

胸に刺さる。

『生きて』

いつもどこかでドキドキしている。

明日の寝起きはどうだろう。
ごはんは食べてくれるだろうか。
弟のバスの見送りについてきてくれるだろうか。
間に合うだろうか。
フリースクールに行くだろうか。
何て声がけをしようか。
出発するときに気持ち悪いって言わないだろうか。
車に乗ってくれるだろうか。
帰れるだろうか。

笑顔が、見られるだろうか。

そんなことを、いつも、どこかでずっと考えている。

今、息子に不安定の波が来ている。


何が原因か、さっぱりわからない。
息子もわからないのかもしれない。

私の匂いをよくかぎにくる

クンクンクンクンクンクン
クンクンクンクンクンクン

そんなにかぐ？
ってくらい、かぐ。

この先、息子にこんなに匂いをかがれることなんて絶対ないだろうから、
多いにかぎたまえ！

母の匂いをかぎたまえ！！！！
と、心の中で叫ぶ。

怖い夢を見る
寝るのが怖いという。

私の手を握りながら寝る。

寝顔を見ながら、ひたすらに思う。

どうか、幸せな人生を送ってほしい。

今日は、月曜日。
フリースクールに行く日だ。

「行きたくない。。」

この、行く間際の「行きたくない」は、いつになっても慣れない。

それでもなんとか車に乗り、居場所へ向かう。
着くとすぐにお友だちが寄ってきた。

息子の顔が、少し明るくなる。

「じゃあ、お昼すぎに来るね」

と、ダメもとで言ってみる。

少し微笑みながら、手を振ってくれた。

気が変わらないうちに、その場を立ち去った。

帰りの車の中で、

どうか、どうか、楽しい1日になりますように。
笑顔で過ごせますように。

と、願う。
涙が出た。
泣きながら運転した。

息子の頭の中に入りたい。

そうすれば、
何が不安なのか、何が苦しいのか、何が辛いのか、
どうしてほしいのか、何て言ってほしいのか、
もっともっと感じられるのに。
わかってあげられるのに。

大好きだと伝えよう
心から愛していると伝えよう

でもさ、お母ちゃんも人間だもの（by相田みつを）。

息子がメンタルチャージ中は、とてもしんどいし、本当にイライラする。

だって、お母ちゃんも人間だもの（by相田みつを）。

だから、何も言ってあげられない時がある。

そんな時は、

ただ、ぎゅっと、抱きしめようと思う。

そしたら、どんな気持ちになるのかな。

息子の頭の中に入りたい。