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奨学金コンプレックス

「高校までは出してあげるから、大学は自分たちで行ってね」

中学生のころにはこう言われて、私と弟たちは育ちました。

とはいえ、誕生日とクリスマスにはケーキとプレゼントがあって、習字や英語の習いわせてもらえ、おばあちゃんがくれた土地には3階建の一軒家。

自分の家が貧乏だとは思っていなかったけれど、 大学4年分を親が出すほどの所得レベルではないということに徐々に気づき始めます。

元々もったいないことはしたくない主義だったので、大学の授業1コマ分の単価を計算したり、授業めっちゃちゃんと参加したり、ちゃんと授業に参加しない人向けの試験対策の板書ノートの原稿を書くバイトをしたりもしました。笑


そんな中で、自分の状況を明確にし、返還の未来を目の当たりにしたのは、4年のときに大学で行われる「返還説明会」のときでした。
いつからいつまで返すのか、どのような手続きが必要か、返せない月があったときどうなるのか。

クラスメイトの子が「一生金持ちの時期ないやん!」っと言っていたのを今でも覚えています。笑

何も悪いことはしてないはずなのに、新卒でウン百万円の借金。

23歳から働き始めたとしてそのまま20年後の42歳まで払い続けることになります。
結婚は?子どもが生まれたら?それとも42まで未婚の子なし!?

就職してからは貯まったお金で奨学金を返し、ボーナスが出れば奨学金を返し...もちろん趣味や娯楽が全くなかったわけではなく、関西の友達とディズニーに行ったり、社会人サークルでスポーツもしていました。


20年かけてウン百万を返していると、感覚がズレてくるのか、2年目に50万貯まったタイミングで日本語教師養成講座をスタート。

その2年後にはJICAボランティアに合格。婚約して帰ってきて今は駐妻になるための準備中です。


なんとか結婚はできた。

でもこれからの私のキャリアは?収入は?


先述の通り、親孝行として結婚式も挙げなければならなくなり、海外に長期でいくとなると日本で再就職する日がいつになるのか全く読めません。


それでも奨学金...もとい教育ローンは常に私の後ろで腕を組み「働け、稼げ、贅沢はするな」と言ってきます。

これはある意味私が働く原動力であり、死ぬわけにはいかないひとつの理由であり、履歴書に書くたった1行の「〜大学 卒業」に重みを持たせてくれるものでもあります。


ここまで重く考えたりネガティブを一周すると、こういう考え方ができます。



そういう星の下に生まれただけ


誰が悪いというわけでもない。
大学という最終学歴を得るには奨学金が必要な家に生まれただけ。

生まれる国や性別が選べないように、生まれる親が選べないように。そこを割り切れるようになれば少しはラクに生きられるのかもしれません。


そしてお金云々の前に、定職についていない今、「自分は働かないと気が持たない」「社会にも求められ、認められたい」という自我や欲求をこれでもかと気づかされている。


ということで奨学金めっちゃだるいけどミッションコンプリート目指して頑張ります。

#奨学金 #奨学金返還 #結婚 #29歳


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