反抗期

中学高校と6年間無遅刻無欠席無早退、小学校の合奏団を含めると8年間吹奏楽部に所属していた。門限もないのに19時には帰宅。お風呂も毎晩入って0時には就寝。反抗期もなく、というか反抗するものが無かった。両親とも仲が良くて、友達もいて、勉強も中の中くらい。まあまあ何となく毎日楽しいし、冬の制服の時に黒タイツの上に重ねる靴下が派手すぎるという理由で色付き靴下を禁止された以外で呼び出されたことも無い。THE平凡。

それが最近、25歳になった今、悪いことがしたくて仕方がない。不良がカマチャリで廊下を爆走したり、制服を短ランボンタンに改造したり、学校の目の前のドラッグストアでコンドームとヘアワックスを万引きしたり、ギャルがミルクティーブラウンに髪を染めたり、火遊び禁止区域でビールとほろよい片手に花火してる写真をCROOZブログの購読者限定記事に載せていた気持ちが10年の時を経て痛いほど分かる。今では地元で学生時代からの仲間同士で結婚して、もうそろそろ小学生になるであろう子どもを育てているあの子達が忘れてしまった青い気持ち。わたし、やっと理解した。

兎に角、悪いことがしたくてとりあえず煙草を吸ってみた。"悪いこと=煙草"の概念がもう的外れだった。わたしは成人済みの大人だから、嫌煙家に嫌な顔をされるだけで合法だ。そしてピアスを開けた。「いっぱいピアス開いてそうなのに開いてないギャップが良い」って付き合う前の元カレに言われて良い気になっていた処女の耳をぶち破ってやった。そしてホクロも取った。母親と同じ位置にあって、親子って感じがお気に入りだったホクロ。取ったところで母親とわたしは親子だし、必要以上に意味を持たせて神格化させたホクロ。呆気なく15分くらいで取れた。煙草もピアスもホクロも呆気なかった。みんなの期待を裏切ってやるって思ったけど、ただわたしが執着していたものを捨てただけ。誰にも何の影響もない。
そもそも、悪いことをするきっかけが、失恋して自信を喪失した時に「わたし変わりたい…」って、もう安直過ぎる気持ちになったからで、変わるには 悪いことだ!と安直に安直を重ねてみた。気持ちは反抗期だから、変わったことに対してマイナスの意見を言われると「うるせー!俺の勝手だろうが!」って思うけど、もう大人だからそれっぽい理由付けてヘラヘラ丸く収まる返答をしちゃう。中途半端で悔しい。

反抗って若くて突き抜けてて、自分の心と周囲の成長に戸惑って、変わってたまるもんか!自分は自分だ!ってティーンエイジャーがもがくものであって、成人のそれもアラサーが、変わりたい!変わりたい!と騒いでするものではないみたい。学生時代のわたしといえば、何をそんなトゲトゲして無駄なエネルギー使ってんの?わたしは置かれた環境を受け入れま~す。って反抗期を嘲笑してたからツケが回ってきたんだな。不良って真っ直ぐでイカしてる。生まれ変わって学生になったら法に触れない程度にその学年で真っ先に不良になる!否、結局同じことを繰り返しそう!

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