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モーツァルトとダ・ポンテ。《ドン・ジョヴァンニ》の魅力考

OTTAVA Accademia 配信講座の最終回は《ドン・ジョヴァンニ》!

あっという間にもう年末!インターネットラジオ OTTAVAさんで開催している 配信講座、OTTAVA Accademia 「オペラでイタリア語!」も最終回が近づいてまいりました。12月15日(木)の19時から約90分。内容は#6「モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》で数字に強くなり、記録を伸ばす方法を学ぶ」です!

ご興味のある方はこちらからどうぞ。リアルタイムで参加するとコメントで質問などを書き込むことが可能です。オンデマンドで後からの視聴もあります❤️。

ご一緒してくださるのはお馴染み、OTTAVAの斎藤茂様😎。

Don Giovanniは「女たらし」の代名詞!

そもそも、普通のイタリア人と会ったときに、オペラ好きの人に出会う確率は、日本で、歌舞伎好きに出会う確率と同じ位に低いと言えると思います。でも日常会話の中で、「お前ってドン・ジョヴァンニだなぁ〜!」と言えば誰にでも、「女を誘惑してすぐに捨てる酷い男だなぁ」という意味で通用します。ロレンツォ・ダ・ポンテ台本、モーツァルト作曲の《ドン・ジョヴァンニ》は知らなくても。ドン・ジョヴァンニは女ったらしの代名詞なのです!

Don Giovanniと似たような意味を持つイタリア語の言葉としては、donnaiolo(女たらし)、seduttore(誘惑する男)、rubacuori(ハートを盗む人)、corteggiatore(女に取り入る人)、conquistatore(征服者)、sciupafemmine(女性をやつれさせる人)などなど、他にもたくさんあります。つまるところ、そういう男性が世の中に大勢いる、ということを意味するのかもしれません。(ちなみに《ドン・ジョヴァンニ》はスペインの話ですが!)。

一方、男性を誘惑してすぐに捨ててしまう女性についての言葉はあまり多くないような気がします。すぐに思いつくのは、seduttrice(誘惑する男)、tentatrice(ほぼ同意。プッチーニ《マノン・レスコー》に出てきます)、あとfemme fatale(ファム・ファタール)もあるけれど、これはフランス語です。女性に対しては、donna facile(簡単な女)、mala femmina(身持ちの悪い女)などの言葉もありますが、これはどちらかというと誘惑する女、というよりは誘惑されやすい女…。

それにしてもなぜ、このような男が主人公のオペラが、長年にわたって人気を保っているのでしょう?


《ドン・ジョヴァンニ》のSTORY


17世紀、スペイン。放蕩者の貴族ドン・ジョヴァンニは夜更けにドンナ・アンナの屋敷に忍び込み彼女をものにしようとするが抵抗され、駆けつけた父親、騎士長を殺してしまう。続いてドン・ジョヴァンニが道で出会った女を誘惑しようとするとそれは彼が結婚の契りを交わした後に捨てたドンナ・エルヴィーラであった。従者レポレッロはドンナ・エルヴィーラに、自分の主人がいかに女たらしかを話して聴かせる。懲りないドン・ジョヴァンニは村人たちの結婚式を見て、花嫁ゼルリーナを誘惑しようとする。だが彼にもついに破滅の時が近づいていた。


レポレッロの「カタログの歌」で数字を学ぼう

講座の中でメインで取り上げるのはレポレッロがドンナ・エルヴィーラに対して歌うカタログの歌。ドン・ジョヴァンニが征服した女性の名前を全てカタログに書き込んで、数を数えるのがレポレッロの役割です。なぜドン・ジョヴァンニは次々と女性を誘惑するのか?そしてなぜレポレッロはそれを記録し続けるのか?その理由を一緒に考えてみませんか?

いつも講座に素敵な映像を提供してくださっているキングインターナショナルさん。《ドン・ジョヴァンニ》講座はなんとこの映像です!


指揮者でバロック・ヴァイオリン奏者の
ステファノ・モンタナーリ様


アレーナ・ディ・ヴェローナで2015年に上演された《ドン・ジョヴァンニ》。これとっても良いキャスト+演奏なんです。演出は巨匠フランコ・ゼッフィレッリです。配信講座では本編の映像をいくつかご紹介します。どうぞお楽しみに!


アレーナ・ディ・ヴェローナの《ドン・ジョヴァンニ》。
詳しくはこちらへどうぞ。

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