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わたし、あの場にいた者です 

これは「フィクション」だ。身を守るためにハッキリと「フィクション」だと書き記しておく。それがどういう意味なのか、勘が鋭い読者、理知的な読者は即座にその言葉の意味を理解していただけると信じて「フィクション」だと書き記しておく。「この記事はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません」法的にも肉体的にも身を守るために「フィクション」だと何度もしつこくここに書き記しておく。


あの現場にいた者です

あの現場にいました、その男性はようやく口を開いてくれた。あのとき、なぜ爆発音と反対方向の空を見上げたのか?見上げた人たちの視線の先に何が映っていたのか_

安倍元首相銃撃事件の現場にいた一般男性。
重い口を緩めるまで半年が必要だった。
その判断が自身の生死に直結することを毎日のように思い知らされてきたからだ。彼の半年はずっとそんな時間だった。

山上徹也という予想外

ビルを背にしていれば大丈夫、彼はそう聞かされていた。けれど、背後から鳴り響くはずだった銃声は正面から聴こえてきた。周知とは真逆の出来事が展開されている。死が近くに在った。命を弄んだ罰、今ここで自分は死ぬんだ_

彼はハッキリと覚えている。マスクにメガネ姿の男が安倍元首相に吸い寄せられていく姿、ボストンバックのようなものを振り上げた瞬間、爆発音と共に煙が炊き上がったその光景を。

その場にいた多くの者は、1.5秒後にはそれが爆竹の類の悪戯であると理解した。なぜならテレビや映画で聴いているような銃声には聴こえなかったからだ。しかし、彼だけはそれが銃撃であると理解した。銃撃が起こることを知ってここにいるのだから。ただし位置が違う。方向が真逆だ。これでは巻き添いを食らってしまう。彼はすぐにこう解釈した。安倍元首相だけを狙ったんじゃない、これは無差別だったんだ、彼はビルを背にしたまま動けなかった。いや、動かなかった。なぜならこれは罰だから_

パートナーからの情報

2022年7月8日11時から12時。大和西大寺駅北口を背にした安倍元首相は正面から狙撃される。弾丸はビルとビルの間を通り抜ける。「地図上は日本であるが日本ではない」場所に勤めている彼のパートナーは彼にそう言った。世間話だった。緊張感などなかった。機密情報など当人同士が長い時間をかけて築き上げてきた絆の前ではなんの意味も持たなかった。

彼はその情報に興味を持った。祭りのような感覚で現場に向かった。商業施設に背を向けて盾にしろ、ビルとビルの間の吹き抜けには絶対に立つな、それがパートナーとの約束であり忠告だった。その好奇心は宝くじのようにおもえた。彼は人間の本質そのものだった。

検証。

検証とは。それは警察や病院、そして政府から発表された情報だけを根拠として行われる。それ以外のことをすれば「検証」ではなく「空想」となる。そして「冷笑」の対象に変わる。

それだけが救いなんですよ、彼は少し笑った。

進んで「冷笑」してくれる世間、その存在が常識外の犯罪者たちの助け舟となる。「冷笑」してくれる世間は、新しい気づきや視点で異議を唱えようとする人たちを数で圧倒してくれる。

だから常識外の犯罪者である彼は今日まで無事だったのだ。

世間は新しい常識を嫌う。なぜか? 怖いからだ。新しい常識を認めるということは信じてきたものを否定することになる。だから今まで培ってきた常識を根拠にして全力で叩き潰す。新しい発想を「荒唐無稽」「陰謀論者」と冷笑して終息を急ぐ。すべては自分を守るために。

あまりに醜い銃撃の真実と真相

⑴安倍元首相を誰がどこからどのようになぜ撃ったのか?
⑵山上徹也とは何者なのか?
⑶なぜあの場の何人かは振り返って空を見上げたのか?

私はそのすべてを知ることになった。
それはあまりに乾いた真実であり、
あまりに醜い真相だった_

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