夫が嫁に行ってしまう!?

<「初めてだけど、前世らしきものがみえた。」より続きです。>

 突然何かのパーティー会場に場面が変わった。広々としたお庭で、優しい風が吹いている。周りの人は着飾っていて、豪華な料理が所狭しと並んでいる。どうやら姉の結婚式のようだ。私は16,17歳ぐらいになっていた。おじいさんはすでに亡くなっていて、私の家族は姉しかいない。その姉も今日、嫁いでしまう。お祝いの席で皆に祝福されている姉に涙は見せてはいけないと、一生懸命笑顔を作るが、心の中では大泣きだ。そして現実の私もボロボロ泣いてしまい、アコさんにティッシュ箱を手渡される。

催眠中なので目は開けなかった(開けようとも思わなかった)が、手渡された箱からティッシュを出し、涙を拭いた。ちなみに鼻もかめる。

 姉はどうやら資産家に嫁ぐようだ。列席者は姉のことをシンデレラガールだという。確かに、貧乏で婚期を逃した親のない娘が、金持ちの家に嫁ぐのだから、世間一般的に考えれば幸せな結婚なのであろう。でも、私は大反対だ。だって私と一緒に暮らせなくなってしまうではないか!

 とはいえ、おめでたい席で泣くわけにも行かない。それくらいの分別はある。でも、大好きな姉が嫁いでしまう。もう一緒に暮らせない。そう考えるとまた涙があふれてきた。

 姉が近づいてくる。白いドレスに身を包んで、笑顔で。そして私のすぐ近くにきて、私のほおに自分の頬をあてた。その時姉は「心配しなくていい。まかせて。」と小声で言ったのだ。

 おそらく「とても貧しい生活をしてきたけど、これからは金銭的な援助を自分がするから、あなたは好きなように生きていいのよ。」という意味だったと思う。そしてその時私は、どこにも嫁には行かないと決めた。

 私はその後もログハウスで一人暮らしをしたようだ。もちろん独身を貫いた。時々、甥っ子たちが遊びに来てくれるのでさみしいと思うことはなかった。生活は姉が経済的な支援をしてくれているので、困ることもなかった。

 アコさんの誘導で人生終わりのシーンに場面が変わる。

 ベットで寝ている私を、甥の二人が見守っている。特に激しい痛みはない。ただ眠い、それだけ。カレンダーを見たら1946年4月だった。ここはフィンランドの森の中だ。私のログハウスはそこにある。私の名前は、カミール?カシミール??

 そして永遠の眠りについた。

 アコさんがカミール(ここではカミールに統一する)に質問した。彼女の人生について、振り返ってどうだったか。

「幸せだった。守られていた。さみしくはなかった。」と彼女は言った。
「一生でできたことは、独身を貫けたこと。逆にできなかったことは、お姉さんと生涯ともに暮らせなかったこと。でも結果的に経済的な支援を受けることになったので、お姉さんが嫁いだことは仕方のないことだったのだと今は思う。この人生で思い残すことは何もない。幸せな人生だった。」

 そして私は催眠から戻ってきた…。

「おかえりなさい。」とアコさんが笑顔で迎えてくれた。

夫としゃべりながら、料理はほとんど平らげてしまった。今はデザート待ち。

「だからさ、オットは私に経済的な支援をすることが、前世から決まっていたってわけよ。」
「なんだよそれー。(笑) そういうのって今度は逆になって、そっちが俺に援助するとかじゃないの?」
「多分だけど、もっと前の前世で私のほうが莫大な支援をしたことがあって、オットが少しづつカルマを解消しているんじゃない?笑」
「そんな都合の良い解釈あるかー!」

 夫とはそんな話をしながら盛り上がった。今思い出せば結婚するとき、夫のほうが貯金が多かった。私は散財家だから、貯金も微々たるもので、おそらく私の5倍…いや10倍ぐらいため込んでいたかもしれない。それで結婚式とか新婚旅行とか行ったしね。

 そういえば、セッション後の振り返りでアコさんは、「今回見えたイメージが、桜さんにとってどういう意味があるのかは桜さんにしかわからないの。今すぐにはわからなくてもいいのよ。ただ桜さんの潜在意識はご主人との関係を重視したのね。お姉さんに守られて、支えられた人生で、悔いのない幸せな人生ってすごいわね。黒い牛も気になるわね。それからこれからシンクロニシティーっていうのが度々起こるかもしれない。セッションの後はシンクロニシティーが増えることが多いの。それも楽しんでね。」といって笑っていた。

何やら、これから面白いことが起こりそうね。ワクワクする。

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