見出し画像

ここに在るもの

ここに在るもの、ここで得たもの。いったいなにがあるんだろうか。
私には何が残っているんだろうか。

記憶が曖昧になる。あたらしく覚えたことは、手ですくった砂みたいに指の間からさらさらと落ちていく。
あなたが子供の頃、どんな子でしたか?と聞かれたとき、何も答えられなくてひどく落ち込んだ。幼少期を間近で見守り育ててくれた母は少し前に亡くなってしまった。
父は育児にはあまり協力的でなく「子供は母親が育てるものだ」といって学童保育とかそういう”子育てをひとに少しだけ頼る”というのを嫌っていた。
だから私が子供の頃どんな子だったかを知るひとはもういない。いや、忘れかけているけれど私だけは覚えてる。そっちが正解かも。

おとなになって田舎は住みづらいと粋がった意味もない理由で都会に出て、ひとりで暮らしている。
ここに在るものは、私一人で過ごす部屋。今の私を知るのは私しかいない。


ここに在るもの、ここで得たもの。たくさんある。
一人になって気づいたことがある。私は忘れっぽいし子供心をこじらせて病んでしまっているけれど。
そんな私もひとりで生きているっていうのは絶対にありえないということ。ほかの誰かとの比較、共同生活。話をしたり、たのしく買い物にでかけたり、情を交わしたり…‥。

ひとと関わってここで得たものは”じぶん”だと思った。
ここに在るのはじぶんの人生だと思った。

まとまりはない。終わりもない。それは生活も然り。
とりあえず今日はこのへんで。

この記事が参加している募集

#休日のすごし方

54,606件

三重県で、シンガーソングライターをしています。代表曲は「ひかりとつき」など。サポートや投げ銭でいただいたお金は制作機材やサイトなどの維持費充てています。応援よろしくどーぞ!!!