みんミ交流会!~「みんなで楽しむ」を考える~


はじめに


皆さんこんにちは!人狼ハウス渋谷店GMのみかちゅうです。 今回は、ボードゲーム制作のヒントになるのではないか、と、大学から紹介していただいたイベント「みんミ交流会」に行ってきた際に感じたことや学んだことを書いていきます。少しでも良いな、応援したいな、と思ってくれたらポストへのいいねやnoteへの「スキ!」・コメントをしていただけると大変励みになります!

みんミ交流会とは?


まず、みんミ交流会について、ここにたどり着いたきっかけについても触れながら書いていこうと思います。
みんミとは、「みんなでミュージアム」の愛称です。以下はホームページからの引用になるのですが、「みんなでミュージアム」さんは
『もっと気軽にミュージアムへ。もっとつながるミュージアムを。』
をスローガンに掲げ、美術館や博物館に行きづらいと感じる人が、もっと自由にミュージアムにアクセスできること、どんな人も、より豊かなミュージアム体験ができること、そんな仕組みや方法をみんなで学び合い、考えていくプロジェクトです。
(みんなでミュージアム ホームページ https://minmi.ableart.org/ ) 私の大学には、学生のやりたいことを様々な方向から支援してくれる機関があり、私は以前そちらの支援を受けて、京都から自主製作映画をつくっている知り合いの映画監督さんを呼んで上映会&講演会の企画をしたことがあります。今回、最初は本当に何も足がかりがない状態だったのでそちらに相談に行ったところ、イベントや団体の紹介というかたちで支援をしていただけることになり、早速紹介していただいた「みんなでミュージアム」の交流会に行った、という運びです。
以上が、「みんミ交流会」の概要と出会ったきっかけです。次は、実際の交流会で何をしたのかについて書いていきます。

いざ、みんミ交流会当日!

交流会前の色々


今回、私は交流会のボランティア兼参加者として参加させていただいたのですが、まず当日までやり取りをしてくださった「みんなでミュージアム」事務局の方(以下、Aさんとします)と駅で待ち合わせをしました。 そこで伝えられたのは、視覚に障害のある方(以下、Bさんとします)と待ち合わせをしているため、Bさんと一緒に会場に行くための誘導を私にもやってみて欲しい、とのことでした。
私自身、手話を長く勉強しているため、聴覚障がいを持つ方と関わったことはあるのですが、視覚障害のある人と関わった経験はほぼないに等しい状態でした。そのため、最初はAさんが誘導するところを見て、そこから私もやってみるということが決まりました。 緊張しながらBさんを待ちつつも、Aさんとは初対面だったので私が人狼ハウスでアルバイトをしていること、ボードゲーム制作をしようとしていることなどを軽くお話ししました。
Aさんは芸術がお好きで、様々な人と美術鑑賞をされたことがある、とお話してくださったのですが、この会話の中で「ゲーム」と「芸術」に思わぬ共通点を見つけました。 それは、
「そこに没頭している間は属性を捨て、『個』でいられる」
という点です。
大変恐縮ではございますが、(本当に大変恐縮ではございますが)私はプレイヤーとして人狼ゲームに入った時、それが自分より年下であれ年上であれ経験の浅い初心者さんであれ、怪しければ(もちろん言葉は選びますが)「あなたが怪しい、人狼だと思う」と伝えます。それは、年下だから気を遣わなきゃ、年上だから遠慮しなきゃ、といった「属性に対する考慮」を捨て、その人を「プレイヤーの一人」として見ているからです。
Aさんが言っていた芸術鑑賞も同じだそうで、Aさんは障がいのある方と一緒に鑑賞をした時、ただ「個人」でいられた、とおっしゃっていました。
私がこれから制作するボードゲームは、「家族団らんに人狼ゲームを」をコンセプトにしているため、様々な年代の人が一緒にプレイすることを想定して作ります。家族内であれ、親戚内であれ、そこに年齢や立場の違いがあればやはり遠慮や気後れは生まれてしまうと思います。それをゲームによって少しでも緩和し、「個人同士」のコミュニケーションを促進できるようなゲームにしたい。そんな思いが固まった雑談でした。
そんなことを話しているうちに、Bさんがいらっしゃいました。Bさんはとても気さくな方で、誘導に慣れてない私にもとても親切に接してくださりました。左に曲がり終わる頃に「あっ・・・左に曲がります!」などと言ってしまっても笑っていいよいいよと言ってくださる、本当に心の広い方でした(泣)次にお会いした時にはもっと上手く誘導できるようになりたいです。

交流会の内容


交流会の内容は大きく分けて3つ、
・「みんなでミュージアム」の説明会
・「幻聴妄想かるた」を使って、このテーブルにいる人全員が楽しめる遊びを考える
・自由交流会
でした。説明会については先ほど説明した内容とも被るため、ここでは割愛します。
次に、「『幻聴妄想かるた』を使って、このテーブルにいる人全員が楽しめる遊びを考える」というアクティビティについて。
まずは、「幻聴妄想かるた」についての説明をさせていただきます。幻聴妄想かるたとは、一部の精神障がいを持つ方々が日々苦しめられている、幻聴や妄想を面白おかしくかるたにしてしまおう、という試みから生まれたゲームです。
今回は、これをルール通りに遊ぶのではなく、いくつかに分けられたグループで、その中のメンバーが楽しめる遊び方を考えよう、というものでした。 私のグループには、偶然、先ほど歩行の誘導をした視覚障がいを持つBさんが一緒にいました。Bさんと一緒に楽しめるにはどうしたら良いか。何度も壁にぶつかり、みんなで考えました。結果考案した遊び方が、以下です。

➀Bさんに頭の文字を選んでもらう(読み札は伏せておく)
②Bさんに選んでもらった文字の絵札を選び、みんなで絵札のイメージを言葉でBさんに伝える
③Bさんを中心に、みんなで読み札に何が書いてあるかを予想する

このような遊び方を考案しました。
これで遊んでみたのですが、何より「幻聴妄想かるた」はその特徴的な絵と読み札が魅力のため、予想は全く当たらず。それでも、「こんなの分からないよー!(笑)」などと、Bさんも含めみんな盛り上がってとても楽しい時間でした。
ここでも、ボードゲーム制作における大事なヒントを得たと思っています。
それは、 「予想が当たる・当たらない(≒勝ち負け)にこだわらず、全員が『楽しかった!』と思えるようなゲームになるようなシステムをつくること」
です。人狼ゲームはその特性上、どうしても勝ち負けが生まれますし、勝ったとしても人狼を当てられた人、当てられなかった人が生まれます。少なくとも私が制作するボードゲームにおいて、私は「勝つからこそ楽しいゲーム」を作りたいとは全く思っていません。なぜなら、私がつくるゲームの目的はあくまで「コミュニケーションの促進」だからです。 もっとあけすけに話してしまえば、私がつくるボードゲームはただの「手段」です。もちろん勝って嬉しい、負けて悔しい、という感情を否定するつもりは一切ないですが、それよりも大切なもの、「人とコミュニケーションを取ることの楽しさ」に気づくきっかけになるゲームをつくりたいと思っています。
ぼんやりと持っていた構想が、今回の「『幻聴妄想かるた』を使って、このテーブルにいる人全員が楽しめる遊びを考える」というアクティビティにより、かなりクリアになりました。
そして、自由交流会では、国立アートリサーチセンターにてユニバーサルなデザインを手掛けている方(以下、Cさんとします)にお話を伺いました。
Cさんから教わったことは以下です。
・テストプレイは想定している遊び手の人たちに近い人たちと一緒にやった方がいい
・合理的配慮は要望があってそこに呼応するイメージ
・とりあえず普通のバージョンをやってみてそれがやりにくいならどこを改善したら良いのかをやってみる
・例えば、かるたは小さいから読みにくい。それを大きめにする、ひらがなにする、などの工夫が必要
以上のように、今後テストプレイをするうえで大変貴重なお話を聞かせていただきました。また、渋谷のCCBTというギャラリーでゲームのアクセシビリティについての企画がされていることを教えていただいたため、人狼ハウスのシフト前にでも行こうと考えています。
リンクはこちら。https://ccbt.rekibun.or.jp/

まとめ


ざっくりまとめると、
・年齢や立場の差によっておこる遠慮や気後れをゲームによって少しでも緩和し、「個人同士」のコミュニケーションを促進できるようなゲームにしたい。
・「人とコミュニケーションを取ることの楽しさ」に気づくきっかけになるゲームをつくりたい。
こんな意志が固まった日でした。 他にも、この1日だけで、たくさんの学びがありました。改めて、「みんなでミュージアム」の事務局の皆様、交流会で私と関わってくれた皆様、本当にありがとうございました。ここで学んだことをしっかり生かして、これからもボードゲーム開発に向けて一直線に進んでいきます。重ねてになりますが、少しでも応援したい!と思っていただけたらnoteへの「スキ!」やXの投稿のいいね、リポストなどご協力いただけたら嬉しいです。 これからも精一杯頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします!

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