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業界分析・展望 アミューズメント-パチンコ・パチスロ業界

 今年11月の『スマスロ』相場で注目した方も多いと思われるアミューズメント>パチンコ・パチスロセクター。
 今回は少し趣向を変えて、業界の分析・今後の展望を予想していこうかな、と思っています。

 円谷フィールズはテンバガーを達成、桐谷さんも含み損で塩漬けだったのが・・・とおっしゃられていました。

衝撃のチャート。昨年度の東証で最もインパクトがあった株と言っても過言ではないでしょう。

 SANKYOはちょっと信じられないような上方修正をしてもPERが8倍台(1/29現在)と、すごい好業績。

SANKYOの決算説明書より

衰退傾向に一定の歯止めか

 2015年頃からの矢継ぎ早の規制強化の連発(パチンコは大当たり確率の下限引き上げ、パチスロの新規則機移行が最たる例)で、衰退傾向がさらに加速することになりました。
 特にパチスロでは少ない台数でも多くの粗利がとれることから、4号機が撤去されても多くのパチスロ専門店(スロ専)がしのぎを削っていましたが、6号機の規制は厳しすぎるもので、減少が際立つ結果になりました。
 ※かつではパチスロ1台あたりの1日粗利が3226円で、パチンコより高かったのですが、3割減で2000円台に。パチンコに逆転されました。

ダイコク電機の資料より引用。

 一方、近年の1か月ごとの推移をみると、台数では下げ止まりにある程度歯止めがかかっています。設置台数では店舗数ほどは落ち込まず、大規模化が進んでいるといえるでしょう。

省力化・省人化 どんぶり勘定の産業から転換へ

 大崎一万発さんの著書『パチンコ滅亡論』では、昔のパチンコが成功した要因にはどんぶり勘定、いい意味で適当なところがあった(意訳)ことを仰られていました。エロと似てる、モザイクの薄さが・・・とか、反権力のマインド(笑)なんて危険な表現もある著書ですが、面白い本です。
 でも平成、令和になるにしたがってそれは許されないですし、それは変えないといけないですよね。表現を借りるなら、ザルなら儲かるけどちゃんとすると儲からなくなるんだけどちゃんとしないといけない時代になってしまった。

 省力化の典型例はパチンコの「各台計数システム(パーソナルシステム)」でしょう。今ではほぼすべてのホールに導入されていると言っても過言ではありません。玉を下に流して電子管理、ドル箱を廃止できるので、店員の負担も大きく減少できます。ここ10年で急速に普及し、4円パチンコの一部のコーナーだけはドル箱だけど他は各台計数システム、というホールも見られます。

 最近はパチスロコーナーにも見られるようになりました。こちらは新店舗などで導入が多い印象。

 一方、最近話題のスマパチ・スマスロが全台入れば各台計数システムは不要になりますが、おそらく5年以上かかりそうで、まだまだ天下は続きそうです。
 コロナ渦もあり、現金への交換景品交換もセルフカウンターの導入事例が増えています。

マースグループHDの資料より引用

 店員さんの負担は、不正防止やら、清掃などにも向かっていますが、こちらも技術で塞ぐ方向へ。清掃も郊外の平坦な店が多いことからロボットが行うなど、最新技術の見本市になっているところもありますね。

M&Aで集約・大規模化進む

岩手県でガイアグループから承継。5日間の店休を挟み、グランドオープン。

 このような省力化・省人化をしたうえでのM&Aでの事業承継が近年増えています。

 マルハングループや、真城ホールディングス、善都グループなど、体力があるグループが設備を整えて居抜き出店しているのが、数年後の業界をどう変えていくか、注目です。
 苦しい懐事業の中、2022年末にグランドオープンしたキャッスル春日井店は釘ガバガバで初日に2500万円近い赤字営業で。お客を付ける強気の戦略を打つホールも。

明るい材料・規制緩和がはじまる

 6号機の規制が厳しすぎて、昨年の2022年パチスロの歴史上おそらく初となる事実上の出玉面での規制緩和がなされています。2400枚とって終わり、がようやく3年半越しに緩和され、3000枚以上を獲得できるのが現実的に見込めるようになってきました。

サトシーニョさんの動画より引用。https://www.youtube.com/watch?v=LKW-XVrHhtI
ZENTグループの資料より引用

 スマートスロットでは、一発で万枚までが現実的に可能な台が登場しており、パチスロに関しては昨年大きく盛り返した、と言えるでしょう。

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筆者の記事

(下は業界知識ある方向け)

※特記なき場合、株価指標などはマネックス証券より引用しています。

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