「効率」もいいけど「間」も大切
言わずと知れた、今の時代をあらわす言葉のひとつである「タイパ」とはタイムパフォーマンス(時間対効果)の略語で、かけた時間に対する効果や満足度がどの程度なのかを示す言葉です。
タイパに関しては確かに一理あるし、限りある人生の貴重な時間を1秒たりとも無駄にしたくないという気持ちは、僕にもあります。
とはいえ、タイパをはじめとした効率を重視し過ぎるのはよくないとも思うわけで・・
人は十月十日で生まれてその後も
そもそも人は生まれるまでに280日かかって、ひとりで歩けるようになるまで約1年弱かかります。
こんな未熟で生まれ・発育が遅い動物なんて野生の世界なら何の利点もないですが、性的成熟が遅れることは、脳にとっては良い影響が多いんだそうです。
その後も6・3・3の12年(高校生は義務教育じゃないですが)もの間、多くの人が勉強をし続けて大人になっていきます。
何が言いたいのかというと、元来人間はゆっくり成長する生き物なんです。
人の脳はこの1万年進化していない
十年一昔どころか三年一昔が当たり前の時代を生きている我々の脳は、実はこの1万年進化していないとか。
確かに、もう外敵なんていないのに今でもネガティブ情報に敏感なままだったり、マルチタスクが苦手だったり「なんで?」と思うことがいろいろあります。
脳の持つ本来の力をどこまで引き出せているのかなど、難しいことはわかりませんが、人類は学習能力の高さと柔軟性によって外的環境の変化に適応してきたとのこと。
一方で、ストレス耐性・心の強度など内側の部分は変わっていないため、変化のスピードに順応できず、メンタル不調に陥る人が増加傾向にあります。
高速で変わり続けることを拒めない、自分ではコントロールできないことが多い現代において、自分でコントロールできることにまで効率を求める過ぎるのは、しんどくないですか?というのが僕の正直な想いです。
「間」も大事
例えば、休日に分刻みのスケジュールをこなす旅行
朝イチから次々と回る名所ではインスタへの投稿がセット
スマホ片手にお昼を食べながら、午後のスケジュールの確認と時間調整
午後からもスケジュールをガンガン消化して、その完了率が達成感に変わる
旅行の楽しみ方は十人十色、他人がとやかく言うのは筋違いなのですが、個人的には旅行に限らず「間」を楽しむ時間や「間」を味わう感覚はとても大切だと思っています。
大切な人との会話の中での「沈黙」
本を読むときの「行間」
朝日を浴びるときの「空気感」
など、日々の生活でついつい無駄かもと思いがちな「間」や価値を感じていなかった「間」に気づける自分でありたいなと思う今日この頃です。
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