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介護現場向けのAIを開発中ーかごんま弁で寄り添うー

介護向け方言AI
 いま、介護現場向けのAIを制作中です。
 デモ動画がこちら。ばあちゃんじいちゃんと、かごんま弁で会話するボットさんだよ🤖
(https://youtu.be/mUFKo7Iu6DE)

方言で寄り添う
 鹿大病院の医療従事者のかたへヒヤリングをした際に印象的だったのは、「言葉はただの情報の道具ではない」という回答でした。
 情報を伝達できれば良いというものではなく、患者さんを理解し、痛みや不安に寄り添うためのものだと教えていただきました。

 地方においては、その<寄り添う言葉>として、方言が活躍します。
 少なくとも現在のご高齢の方々にとっては、方言のほうが母語(日常生活の中で獲得した言葉)であり、標準語のほうが学習言語(国語教育のなかで獲得した言葉)であるというケースがほとんどです。
 ふとした時に母語である方言のほうが出てくる、方言を話したいと思うのは自然な事です。
 その時に自分の方言をキャッチし、理解し、寄り添ってくれる存在がいてくれたら。

 方言でおしゃべりしたいなと思った時、あるいは、県外に移住されたかたが方言を懐かしく思った時、このAIが寄り添う存在になれたらと思っています。

これからの課題
 本格稼働までには、まだまだたくさん課題があります。
 まず、データの量。このAIが十分に動くには、膨大な量かつ質の良い鹿児島方言データを食べてもらわなければなりません。
 そして、そのデータの食べさせかた。どういう食べさせかたをすれば、より良い形でエラーを出さずに動かせるか。ここには、より綿密な言語分析が必要になります。
 また、この計画は最終的に音声ベースで実現することを目指しています。そうすると、大きな壁のひとつとして、アクセントの問題が立ちはだかります。鹿児島方言...音節をベースとした、文節単位にかかる、2型アクセント...これを正確に出力できなければ、方言話者にとってはかえって分かりにくいものになってしまいます。

 課題は山のようですが、少しでも良いものをお届けできるよう頑張る所存です!ご指導のほどお願い申し上げます🙇‍♀️

【追記】
・デモ動画のボットは、miiboにてChat GPT-4のAPIを使用したバージョンで動かしています。
・令和5 年度鹿児島大学地域活性化研究支援事業「生成系AIを活用した鹿児島方言コンテンツの開発」(代表者:坂井美日/鹿児島大学)の成果の一部です。

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