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その夢の先に

ニューヨーク。
初めてその街に降り立った時
「あぁ、ついに世界の中心に来たんだ」
そんな実感を持った。

クイーンズにある、
一泊ドミトリー30ドルの日本人宿にチェックイン。

数人の日本人と交流し、驚いたのは
彼らの目的地が"ニューヨーク"だったこと。
目的地を決めず世界を放浪している旅人ばかりと出会ってきた私にとって
ニューヨークだけを目的地に来た彼らは、
とても新鮮だった。
バンドマン、写真家、ダンサー、留学生。
さまざまなバックグラウンドを持った人たちが
人生を賭け、チャレンジしにやってくる街。

出会った人々は皆、キラキラした目で夢を語ってくれた。
この街には夢が集まる。

それだけ多くの人を惹きつける魅力がある。

その魅力を知りたくて、感じたくて
3日という短い滞在期間、
ひたすらにニューヨークの街を歩いた。

ベーグルを頬張り
自然史博物館に赴き
セントラルパークを
バーガーを口にくわえながら散歩した。
ハーレムにも足を伸ばしたし
チャイナタウンでローカルフードを味わった。
ウォール街は敷居が高く怯んだが
タイムズスクエア前の賑わいは、
強く印象に残っている。

それでも当時、圧倒的な夢のなかった私には
理解し難いものがあった。

ニューヨークの二の字も分からないまま
去る時となる。

私にはまだ早かったのかもしれない。

それでも優しくしてくれた人々、
夢を語ってくれた人々、
私を諭してくれた人、
混沌とした街の表情、
そして急ぎ足で去っていったあの人。

忘れることの出来ない出会いがそこにはあった。

「大人になったらまた来よう」

そう思ったフライト前のひととき、
私のイヤホンから流れていたのは
宿で出会った夢追いバンドマンの歌声だった。

#世界一周 #女子旅 #NYの思い出

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