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アルベルト・ジャコメッティ展に行きました

昨日、心斎橋にあるエスパス ルイ・ヴィトン大阪で開催中の「アルベルト・ジャコメッティ」展に行ってきました。主催は、同ブランドがパリに開館している文化・芸術複合施設「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」です。

……と、知ったようなことを言いましたが、SNSのアートニュースで同展の情報を見たとき「あのヴィトンの中にそんなスペースが!?」と驚きました。このニュースに出会うまで、何もかも全然知らなかったのです。

それから調べて初めて「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」の存在、そして同施設が、所蔵しているアートコレクションを中心とした企画展を世界各国で積極的に行っていることを知りました。

今回のジャコメッティ展も、そんなフォンダシオンの交流プログラムの一環として行われています。あのルイ・ヴィトンにそんなアートな一面があるなんて……一気に興味が膨らみました。

そしてジャコメッティの作品には、大阪の中之島美術館のコレクション展、国立西洋美術館での「ピカソとその時代」などで出会っています。名前を目にしてすぐ作品が頭に浮かぶくらい、自分の中では強く印象に残っているアーティストです。

そんなルイ・ヴィトンによるジャコメッティ展……どちらもそれほど詳しくない私でしたが、間違いなく美しい展示に違いないとワクワクしたので、足を運んでみることにしたのです。

実は会場を訪れる前、けっこう緊張していました。白状すると私、ヴィトンの路面店なんて足を踏み入れたことがありません。笑

ちなみに心斎橋の店舗は「ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋」と名前がついていて、建築もすばらしい。「ど、どうやって入るんだろ……」と内心震えながら、お店に向かいました。

店頭につくと入り口前に看板があり「展示を見学したい方はスタッフにお声掛けください」との記載が。良かった……と安心しながらスタッフさんに声をかけると、丁寧に裏口まで案内してくださいました。

そんな地味な緊張感から解放され、いざ会場へ。心斎橋の雑踏から一気に解放された静謐な雰囲気が広がる中、ジャコメッティの作品は、凛と佇んでいました。

実在のモデルと向き合う作品づくりにこだわっていたジャコメッティ。人物の“真の姿”をどう表現すればいいのかと葛藤を繰り返し、最終的に辿り着いたのが「フォルムの究極的な単純化」だと言います。

どの作品もフォルム自体には共通点も多く見えるのですが、体に対して顔や表情の表現は一つ一つ違っていて具体的であるように感じます。場内で鑑賞できるドキュメンタリーでも「目の表現へのこだわり」を語っていました。

そしてジャコメッティの彫刻は、つくった本人の指先の痕跡が色濃く残っているように見える。映像や写真で作品を手がける姿を見た後だと余計に、その質感みたいなものが作品を通して伝わってくるように感じました。

ちなみにドキュメンタリー映像は私がブースに入った時、少年期からの作品変遷のお話が始まったところでした。ちょうどよかったと思いながら最後まで見て、大体20分くらいのボリュームだったのかなと思っていたのですが。

なんと後々調べると、映像のボリュームは約49分だったそうで……!前半がどんな内容だったのかが気になっています。6月までやっているので、大阪にいるうちにもう一度行きたいなと考え中です。

さらに驚くべきなのが、全7作品とドキュメンタリー映像が鑑賞できるこちらの展示は、すべて無料で観られるということ。かっこいいよルイ・ヴィトン……お近くに立ち寄った際はぜひぜひ、足を運んでみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。いただきましたサポートは、自己研鑽やライター活動費として使用させていただきます。