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緊張状態が招くもの
私が、西オーストラリア州パースのTAFEという州立の職業訓練専門学校でビジネスと会計学を勉強していた時に気付いた事があります。
オーストラリアの専門学校や大学は大量にアサイメントと呼ばれる提出必須の課題がでます。
その中には、グループワークとしてクラスメイトとも一緒に取り組む時間がある。当然、アサイメントもクラスメイトと取り組むものもあります。
私は、このアサイメントで現地のオージーの若い男の子と組んだ事があります。だけど、困った事にその彼は殆ど喋らないんです。
それは、別に私とのアサイメントだけでなく授業中もそうです。
先生に質問されても、声が小さ過ぎて聞き取れなく、それを指摘されれば最初は大きくなるけれどどんどん小さくなります。
しかも、しょっちゅう言葉が出てこなくなったり、吃ったりします。
見ているとひどく
緊張状態
にあるようでした。。
どうして人前で喋る時や、誰かと会話する時にそんなに緊張しているのか私は不思議でした。オーストラリアにはあまりそういう人はいないので…
先生も不思議に思ったのか、その彼にどんな親なのかとか家なのかとか色々たずねました。
彼は英語は知っているはずという事がわかりました。親は両方ともルーツはイングランドなんです。
お家は、どうも商売屋さんでしょっちゅうお金周りの事は手伝っていて、納税時期なんかもこの彼がずっとやっていたようです。
その商売屋さんを継ぐとの話で、そのためにビジネスや会計学の学位をとるようにと親からずっと言われて敷かれたレールに乗っているようでした。
話を聞いていると、オーストラリアにも教育ママ
さんやパパさんがいる事が分かりました。
この家では、将来はこうすべきでこういう学校に行くべきそしてこれくらいの成績を取るべきとか細かくきめられているようでした。
こういう話を聞いても凄く小さい声だし、何度も言葉を失ったりするので先生がこれだけ聞き出すのにかなり時間を要していました。
これで、私が思った事は彼は両親から“どう思われるか”をずっと気にして生活してきたんだろうなと思いました。
そして、“こうなるべき”と道を示されそれに沿ってきているんです。
それから外れてはダメなような、一種の洗脳状態にかかっている。
だからすごく自分は失敗してはいけないんじゃないかという意識がいつもある。これはおそらく自分では気づいていないのに起こっていることなのではと、、、
それを証拠に彼はすぐに謝るんです。
“I’m sorry.”
と言い間違えても謝るし吃っても謝る。
少し、自分の課題のペースが遅れているのではと思うと謝る。。。(それどころかとても速いんですが。。。)
私はこの彼とアサイメントしていてほんと異様な状態で驚きました。そんな人殆ど私の周りではいなかったので、、
なぜ、そんなに謝ってるの?
謝んなくてもいいよ。
誰もそんなに謝んないよ。
といっても、ごめんなさいとくる。。。
なんかこっちがイジメてるみたいな気持ちになるので途中でやめました。
彼は自分が言った事でどう思われるのか気にばかりしているので、すごく静かなんです。
それで、法則性があるようなものは良く出来るが、自分の意見を入れるようなものがとても出来ないんです。ネーティブにもかかわらず英作文もちなみにあまり上手くありません。
オーストラリアも最近では、子供の将来を勝手に決めつけ押し付け学力競争に勝たせたりするために公文に行かせたりする親もいます。
決められたレールを最初から準備してそれに乗らせようとしている親も少数派とはいえいるんだなと気付きました。
私は成長過程でその子の特性をちゃんと見ずに、もしくは見つかる機会を奪ってまで強制的に何かを機械のようにやらせるのは良くない事と思っています。
だから、オーストラリアのように休みに宿題が少なかったりする環境はとてもいいなと思っていたので、なんか意外でした。
別に学校出たって出なくたってその人の幸せは決まらないと思っているので…
あなたは、何歳になったら受験してその後就活するんだよ。または、こうなるべきなんだよ。
生き方って決まっていないはずなのに、前もって準備されているかのような異様さ。そして、外れたら人からどう思われるか異常に気にする。
これってとても日本人の大多数と似ていると思いませんか?
ネーティブスピーカーでさえ、前もって準備されそこから外れてはいけない、失敗してはいけないと洗脳されていれば意識的に他人を気にする脳が出来上がって、英語をスムーズに喋れなくなってしまうんです。
相手に危害を加えたわけでもないのに直ぐに謝る。相手の顔色を気にして緊張する。間違えるのを恥ずかしがって失敗を恐れる。
こういう人は日本人の真面目さんの中にはとても多いです。
ネーティブスピーカーなのに英語を上手く使いこなせない。コミュニケーションがうまく取れない。
緊張状態に陥っている彼を見ていて、日本人の知識が沢山ある筈なのにさっぱり英語が喋れなくて苦労していた大学時代の優等生を私は思い出しました。
あなたの緊張状態は、人を気にし過ぎているからです。そんなもの気にしなければ、自分を出していけます。
その一つのツールが言語。
緊張状態に陥る事は、デメリットの方が多いです。
あなたが気にしている事は大体が大した事ない。
気にし過ぎないようにする事が第一歩です。
ー
私が今まで感じてきた事とか書いてます
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