魔法の合言葉!
私は中学校時代に地元の個人塾に通っていました。ある日、特別に英語検定(訳して英検)の授業をこの塾が開講し始めた。
正直、別にそこまで興味はなかったのは本音だけど、そこの先生がとても知的だと評判だった。
彼女は、一度も日本から出たことないにも関わらず英語がかなり流暢と有名だった。
しかも顔はモナリザに似てるらしい。
単語は分厚い辞書を読むだけで全て頭に入り、聴いた英語はその後すぐリピートだけで、身についたらしい…。
それだけでは飽き足らず、ヨーロッパの言語の分厚い辞書も読み始めたらしい。ラテンもやってるとかなんとか…
彼女自身はすごく物静かなのだが、なんでこんなに知っているかというと下品で下ネタばかり言ってるお喋りな講師の妻がこのお淑やかな女性だったのだ。
こいつがどうやってモナリザを落としたのか。
まあ、話術は面白いんだけどさ…
人はマジで分からない。
もしかしたら、彼が本当は別人格なのか?
もしくはこの彼女がそうなのか?
みんなの話のネタだった。
まあ品性はないので、そいつがプライベートの事までいつもネタにしてたからしょうがないんだけど…。
彼女はそれを上品そうにクスッと笑って見ていた。仲良さそうだ…
なので、おそらく興味本位から友達はかなりこの英検の授業を受講していた。
私はなんか親が「英検。英検。」とうるさかったし、なだめる必要があったのと、モナリザのようで巧みに語学を操る人が見てみたかった。
それに自分よりも頭の質が良い人と話すのは昔からすごく好きなので、子供心に仲良くなりたかったんだ。
そして、一生懸命に英検マニアのどうしても合格したい真面目ちゃんの演技をずっとしていた 笑
英語目的ではない。まあこの個人塾自体、友達と騒ぐのが楽しかったし、そのお喋り講師の授業をコメディーとして見に行ってたのが事実。
ごろ合わせが、バカ丸出しのものばかりですぐ覚えることができたのは感謝してるけど、テスト中にニヤついて怪しまれたのも彼のせいだ…
さて、このモナリザ似の才女は本当に辞書を静かに読んでいた。次はフランス語らしい…
英語を話し出すと、ものすごく滑らかでその場の空気が変わるようだった。なんだか張り詰めた感じになる。
発音はネーティブスピーカーと同じだ。
ただし別に授業は面白くはないし、あんな勉強方法は天才しか参考にならない。
特に学ぶことはなかった。
しかし、本当に頭の良い人はこちらが自然と吸い込まれるような説明をする。
全く面白くないんだけど、まるでマインドコントロールのようだった。もしかしたら、それも学んでいたのかもしれないと思ったくらいだ 汗
彼女のおかげか、私が熱心に彼女を観察してたからか不明だが一発合格できた。
授業内容はすぐに忘れたけど、面接に使えると彼女が教えてくれた「魔法の合言葉」だけはずっと頭に残っている。
質問がわからなくても、知ったかぶりをして勘で返事をしたら絶対にダメよ。
“I beg your pardon?”
と丁寧にゆっくりめに相手の目を見てちゃんと言うんだよと…。
特にpardonはしっかりと言うこと。
彼女は分かりやすく、このフレーズを言った。
吸い込まれるように、洗脳(?!)された私はそれをずっと覚えてて、困った時は丁寧にこの言葉を言うことが染みついた 笑笑。
世の中には、ネーティブはこれを使わないとかいう情報に溢れている。このフレーズもどちらかというとそのカテゴリーに含まれる。
けど、このフレーズは私がオーストラリアに渡った後も非常に役立ったんだ。
相手が投げやりな対応でも、この丁寧な表現を使うと、相手の態度がコロッと変わり対応が全然変わる体験を何度もした。
ブロークンイングリッシュ崇拝者は、気づいていないうちにこの程度の英語しか話せない奴かとバカにされてはいないだろうか?
と私は少し気になっている。
勿論、相手に教養がなければ通じないだろう。けれども、pardonは聞き取れるし、分からなかったとしても雰囲気は感じ取る。
会話はフランクにすべき!みたいな思想を植え付けて、せっかく習った良い表現まで「これは使わない」と切り捨てている人を見ると、私はとても嫌な気持ちがする。
何事もTPOだろう。状況に応じて表現を変えなければおかしなことだ。
「これはネーティブは使わない。」
は、
”私はこういう表現を使う人としか関わったことがない。“
というのと同義だと思う。
英語は全てフランクだとか、会話はブロークンにしなきゃとかよく言えたものだ。
モナリザから「魔法の合言葉」をかけられた私は、それに早く気づくことができた。
こういう魔法の合言葉は、とても沢山あるのだがその中の一つが
“I beg your pardon?”
なんだよね。
ー
英語表現について、いろいろ!
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