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映画 tick,tick. . .BOOM!
今日は映画 tick,tick. . .BOOM!のレビューをネタバレなしで書いていきます。
Netflixで観る事が出来るので、お勧めしたいです!
これは有名なミュージカルRent(レント)で有名な作曲家兼、劇作家でもあるジョナサン・ラーソンのミュージカルtick,tick. . .BOOM!を元にした彼の伝記を映像化した作品。
もう、涙腺が崩壊して40分過ぎから楽曲の盛り上がりもあって凄く泣いてしまいました。
このジョナサン・ラーソンは人生90年と思っているのにも関わらず、かなり生き急いでいます。もうすぐ30歳になってしまう、それなのに自分は理想通りの成功を収めていない。その焦りをいつも感じている。
彼は実際、ミュージカル「Rent」の公開を見ることなく35歳で急死してしまっています。
こんなに感性があって繊細さを兼ね備えている彼だからこそ何か生物的な直感のような物も働いていたのかもしれないってちょっとだけ思ってしまいました。
タイムリミットがある状態で何かを成功させようとした事がある人なら、夢と周囲との人間関係やコミュニケーションとの狭間で葛藤した経験があると思います。それもとても共感出来る部分で、辛くもありまた応援したくもなります。
彼の場合は、年齢を気にしている事もあると同時に、それ以上に現実的に締め切りに追われながら創作活動を行うプレッシャーがのしかかっている。
いくら才能があって好きでも、自分の伝えたい事を劇にして届けるためには、現実的な期日や大衆への配慮そして予算など様々な乗り越えなければいけない壁がある。とても厳しい世界で、並大抵の事ではないと思います。
ジョージ・オーウェルの1984をベースに手掛けようとしたミュージカルSuperbiaも評価は高かったけど彼の思う通りにはいきません。それでもう作品を書くことさえやりたくなくなり諦めようと思いますがある出来事から結局続ける事に。
ここら辺の流れもすごく胸を締め付けられました。いつも、伝えたいもの(テーマ)があってそれを自身の経験をベースにし書いていくスタイルなんだなと。。それがこの作品でよく分かり良かったです。
それに凄いと思ったのが、主演のアンドリュー・ガーフィールド の演技。スパイダーマンだけではない何でもこなせる素晴らしい俳優と改めて思いました。
本当にジョナサン本人が乗り移ってしまったのかというくらい歌を聴いているだけで、どんどん涙腺が崩壊してきてヤバい状態になりました。40分過ぎからの楽曲からは、上手く説明できないけれどすごい感じるものがあって感動しました。
ミュージカル好きなのに、この作品については知らなかったのが恥ずかしいくらい。。。
歌詞にも強く訴えるメッセージがあるものも多いし、感情の動きを表現しているのも多いし心かき乱されました。メロディーも非常に強さと温かさと繊細さが入り組んで共存していて、すごく感じるものがあって泣けちゃいました。
これを本人でもないのに上手く歌で表現するアンドリュー・ガーフィールド はすごい俳優だなあと。。
彼は良く撮影時話しかけるのも怖いくらいに集中しているというエピソードを聞いた事がありますが、それも頷けると今回の演技でそう思いました。
中にはミュージカルやそれを元にした映画が嫌いな人もいると思います。私は好きですが、嫌いな人の理由も少し分かる気もします。
何故なら台詞を言っていたかと思えば急に大きな声で歌い出したりするんですもん。ここが気になり過ぎてしまうと違和感が半端なくてダメになるのかなぁと。。。それを許容できるかは、どうしてもその人個人の好みなのでしょうがないかと、、
ただこの作品は、伝記映画の性質が濃いためそんなに台詞と歌との繋ぎの違和感がない作りになっていました。だからミュージカルと思わずに観る事も可能に感じました。
この題名のtick,tick. . .BOOM!は主人公ジョナサンが時計の針の音を聞いて感じたプレッシャーを上手に表しているタイトル。
命は期限あるもので、時は止まらず流れているんですよね。だからその一瞬一瞬は二度と戻ってこない貴重な時なわけです。
そのティック、ティックという音はいつまで鳴ってくれるのか分からない。それが人生。何が貴重で大事なものかを考えるきっかけにもなる良い作品と思いました。
芸術はどんな時代にも偉大で優劣をつける事が不可能な絶やしてはいけないものなのになって事もこの作品を観て感じた事の一つです。
とても良作と思ったのでお勧めしたいです!
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