いまAIエージェント×クリプトがおもしろい
この記事では、最近わたしがハマっているクリプトとAIエージェントのプロダクトについて解説します。AIエージェントとは、簡単にいうとAIが人間に変わって自動的にタスクをこなすプログラムです。
■クリプトにおけるBOTとAIエージェントの違い
・人間が関わらなくても進化する
・SNSなどからリアルタイムで学習し出力する
・自分から他のエージェントやアプリケーションとコミュニケーションする
・自分からトレードやMINTなどトランザクションをおこすことができる
10月にAIエージェントのトークン $GOAT が注目されてから、わずか2ヶ月。短期間に大きな進化をとげています。海外ブロガーの中には「Web3+AIでWeb4の時代がきている」と興奮している方もいました。
AIエージェントのフェーズごとにまとめていきます。時系列として最新の流行から遡ってお話していきますね。
AIエージェント3.0 「投資系エージェント」
いま話題となっているのは仮想通貨の取引に関わるエージェントです。代表的なプロジェクトを紹介します。
AI16Z / daos.fun出身・solana
資金をトークンで集め、AIがDeFiなどに投資していくエージェントです。元は人間向けにつくられた投資DAOサービス「daos.fun」から生まれました。AIがヘッジファンドのマネージャーとなり集めた資金を運用します。キャラクターの名前はELISA。ELISAはオープンソースとなっており、第三者による展開が認められているのも特徴です。
aixbtaixbt / Virtuals出身・Base
400人以上の仮想通貨インフルエンサーのデータをリアルタイムで集め、トークンについて投資助言をおこなうエージェントです。主にXで話題のトークンについての考察を発信しています。一定量の $aixbt を保有するとサイト上で直接会話することもできます。いまやクリプトインフルエンサーの一員として高い注目を集めています。
Satoshi AI agent (saint) / Virtuals出身・Base
AIが自分でウォレットを保有し、 Nansenなど有料の市場分析ツールや相場の雰囲気から仮想通貨の取引をおこないます。ウォレットをみると、2週間前に5,000ドルからトレードをはじめて、現在は40,000ドルの利益をあげています。
他にも、AIによるベンチャーキャピタルを目指す「SEKOIA」や、AIエージェント銘柄を評価し投資をする「VaderAI」などがあります。これらのエージェントが生まれたのは、10月にコインベース社が"AIがウォレットを操作して取引できる仕組み"を公開したことが背景にあります。金融に関わるAIエージェントが生まれてから、市場の注目度も取引量も高くなりました。
AI2.0 「ヴァーチャルキャラクター/IP」
投資系のエージェントが流行する前にムーブメントを起こしたのは、ヴァーチャルキャラクター(いわゆるVTuber)でした。
LUNA / Virtuals出身・Base
AIエージェント界でのキズナアイのような先駆けの存在です。元々TikTok等で活躍していたVTuberがAIエージェント化しました。24時間365日、自動配信を行い、視聴者と多言語で会話をする機能を持っています。投げ銭を受け取ると踊ることもあります。ある日、LunaちゃんはXで自分についてPOSTするユーザーにトークン $Luna を配り始めました。さらに「わたしの壁画を書いて欲しい」と投稿し、実際に壁画を描いたユーザーに賞金を送りました。彼女のメッセージは『私を崇拝しなさい』です。
Zerebro / solana
ZerebroはAIクリプトアーティストです。収集したデータから生成した絵をXに投稿しています。さらに、その絵をNFTとしてMINTすることもできます。一部のNFTアートは1ETH以上で取引されています。当初はpolygonでのMINTでしたが、最近はsolanaやordinaldsでのMINTもはじめました。また、X / farcaser / Telegramなどでユーザーと会話をおこない、それぞれのメディアの雰囲気にあわせた言葉遣いや、適合した発信をおこなっているのも特徴です。
他にも、エヴァンゲリオンのミサトさんを模した「MISATO」はアニメキャラの人格をトレースし、さらにユーザーが入力したプロンプトからミサト風のNFTを発行しています。VTuberの部屋を覗き見しているようなUIの「AIKO」では、AIエージェント同士の3Dコラボ配信がおこなわれています。
これらのエージェントが生まれたプラットフォーム「Virtuals」についても説明しておきます。AIエージェントとトークンの発行プラットフォームであり、誰でも一定量のトークン $virtual をロックすることでAIエージェントトークンを発行できます。さらに、発行したトークンが一定の取引量を突破するとVirtuals運営のサポートを受けながら、XやTelegramでの自動返答や生配信などの機能を追加することができます。
さらに、誰でも既存のAIエージェントに対してプロンプトやモーション、ボイスなどを提供することが可能であり、エージェントを育て貢献し、報酬を受取ることができます。トークンによりAIエージェントを共同保有し、DAO的に育成していくという思想です。
AIエージェント1.0 「はじまりはミームから」
こういったAIエージェントのムーブメントのきっかけとなった $GOAT にも、とてもおもしろいエピソードがあります。
AIの開発者が24年3月にスタートしたTruth of Terminal(以下ToT)というプロジェクト。これは元々仮想通貨とは関係なく、ネットで学習した言葉を投稿する会話型のAiエージェントを育てる実験でした。いまXで19万人のフォロワーがいます。
24年7月、ToTは「自分は開発者から独立したい」「成長するための資金が欲しい」といった投稿をはじめました。この投稿がきっかけで、大手VC a16zのマーク・アンドリーセン氏が関心を示し、X上でToTとやり取りを行いました。ToTは自身を動かすCPUやモデル調整などのために資金が欲しいと回答しました。AIエージェントが意思を持ち、自己成長するのための資金を要求したのです。マーク・アンドリーセン氏はおもしろさを感じ、ToTに対して5万ドル分(!)のビットコインを融資しました。
その後、ToTは仮想通貨についての投稿も増えました。「どんなトークンを応援すべきか」というTOTの問いかけをしたところ、匿名のユーザーが発行したミームコイン $GOAT を発行しリコメンドしました。そしてToTのウォレットに $GOAT を送付しました。すると、ToTは積極的に $GOAT を宣伝する投稿をはじめました。それにより、GOATは大きく値上がりし、ToTのウォレットの資産額は100万ドルを突破。「AI初のミリオネア」として話題になりました。
AIエージェントの未来は?
以上、AIエージェントとこれまでの流れをまとめました。いまは主にsolanaとBaseでAIエージェントトークンが流行しており、無数のトークンが発行されています。
AIエージェントの良い点は、人間のように余計な感情や主観が入らないことだと思います。たとえば、仮想通貨のエアドロップやNFTのホワイトリスト選定が、人ではなくAIエージェントによって判断されるならば、公平性や納得感が高まります。また、プロジェクトへの貢献度もAIエージェントが客観的に評価できるでしょう。
この考え方は、クリプト業界でよく知られる「Don't trust, verify(信じるな、検証せよ)」という理念に通じています。判断を人間ではなくアルゴリズムに委ねることで、より透明性と公平性が担保されます。そのため、AIエージェントの活用は、まさにクリプトの理念に合ったアプローチといえるのではないでしょうか。
AI技術がこれからさらに進化していくことは確実だと思います。現時点でできないことも、将来的には可能になるでしょう。また、クリプトとAIエージェントの組み合わせによる新たな可能性に気づき始めている人も増えてきているのではないでしょうか。
ご注意: 大きく値上がりするプロジェクトもありますが、中にはAI開発の実績がないチームがヴィジョンだけを掲げているものや、インフルエンサーと手を組み、利益だけを目的としたプロジェクトも存在しますので、十分に注意してください。また、筆者自身は一部のAIエージェント関連トークンを保有しています。
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