見出し画像

CNPの知られざる物語 ファウンダーroad氏へインタビュー

「CryptoNinja Partners」

2022年5月にNFTプロジェクトCNP(CryptoNinja Partners)が誕生、またたく間に日本トップクラスの取引量となるNFTコレクションとなりました。今回は、CNPのファウンダーであるroad氏にお話を聞いていきます。

roadさんとは(twitter @road_ninjart
CryptoNinja Partnersファウンダー(創設者)運営の代表
愛媛県今治市出身。パン好きが高じてパンのメディア「PANPAK」を運営。漫画はジャンプ派で、既に映画『THE FIRST SLAM DUNK』を2回観ている。

第一章 CNPの誕生

みーん:よろしくおねがいします!さっそくですが、簡単に表現するとCNPはどんなプロジェクトなのでしょうか?

road:
CNPはイケハヤ氏とクリエイターのRii2氏から生まれたCryptoNinja(以下、CN)というキャラクターを、みんなで盛り上げていこうというファンアートのプロジェクトです。NinjaDAOというコミュニティが盛り上がり、メンバーが1万人を超えた1月のこと。「ジェネラティ部」というチャンネルが生まれました。当時は海外では主流となっていたジェネラティブNFTが日本ではまだ少ない状況でしたので、今後ジェネラティブNFTをやりたいクリエイターさんが出てきたときに支援できるようするために情報交換をしていました。

その中で「いっそ自分たちでジェネラティブNFTをつくってみようか」とスタートしたのがCNPです。CNのNFTは30体くらいしかない。でもNinjyaDAOの1万人のメンバーの目印となるようなNFTが欲しい。そういった思いもありました。

NINJADAO / CRYPTONINJA / CNPの相関図

CNP、実は当初2000体程度の発行を予定していました。当時の国内NFT市場規模に対しては妥当な数でした。同時期にリリースされたNeoTokyoPunksも2000体でしたね。でも、1万人いたNinjaDAO参加者に対して数が足りなそうだぞ。それならいっそ10倍の22222体にしたらどうか、入手しやすいように販売価格を格安にしてようとなりました。ただ、完売しても売上は22ETH程度なので諸々の支払いに充てると赤字になってしまいましたが 笑 2月にプロジェクトがスタートして5月15日に販売、そんな怒涛のスケジュールでした。

みーん:ローンチ後、印象に残ってるコミュニティでの出来事はありますか?

road:予想外にも、すぐCNP派生のNFTプロジェクトが出てきたことですね。派生プロジェクトが生まれることで、NInjaDAOのコミュニティも拡大していきました。(※22年12月時点でdiscord参加者は6.5万人に)
CNと同じく、ある程度IPやキャラクターの権利を開放しキャラクターを自由に扱うことをできるようにした効果がでました。私はCNPに公共財としてのIPになって欲しいという願いがあるので、嬉しく感じています。いまの日本では「いらすとや」さんが近い存在かもしれませんね。

みーん:CNPの二次創作の盛り上がり、初期のBAYCのコミュニティと似た印象を受けました。もちろんキャラクターの権利を開放したからといって、必ず二次創作が生まれものではないとおもいます。しかし、コミュニティの熱量が高くなると爆発的に二次創作や派生プロジェクトが生まれはじめる。そんなタイミングがありますね。

road:ただ、最近はCNP二次創作にもスパムのようなプロジェクトを見かけるようになりました。特に海外発のもので元絵をコピーしただけのものや、あきらかに売りつけたいだけのようにみえるものもあって。 トレースや素材の丸パクリはやめてくださいというルールはあるのですが、判断はいつも悩みますね。

第二章 最近のCNPコミュニティ

みーん:この1、2ヶ月で海外のホルダーも増えましたね。コミュニティ内でも変化はありましたか。

road:二次創作作品がリリースされるたびにALの取得を目的として数千人単位の方がdiscordに入ってきています。海外からの方は大きく3つの属性にわかれているようにみえます。

属性①ペーパーハンドな短期トレーダー
大多数は、すぐに利益をだそうとするタイプの人。買ってすぐに売り抜けるのが目的。かなり増えてきました。

属性②キャラクターに興味を持ってくれる方
まだまだ数は少ないですが、CNPそれぞれのキャラクターを楽しんでくれて、自分たちでどう使っていこうか考えてくれます。グローバルでも愛さるキャラクターになってきているのが嬉しいです。

属性③投資家、日本文化の研究家
いまは、この層の方々が大きくなってきています。彼らは「いま日本のNFTが盛り上がっているらしい」と聞いてやってきました。純粋に日本のNFT文化にも興味を持ってくれています。海外ではジェネラティブNFTは投機的な側面が強いため、日本の「推し文化」「応援文化」は珍しくみえるようです。その構造について質問されることも多いです。ありがたいことに、CNPを広める活動にも参加してくれています。

11月にはOpenSea世界ランキングで国内NFTプロジェクトが6つランクインした日がありました

みーん:CNPオーナーズや、ふるさと納税の展開についても教えていただけますか。

【CNPオーナーズとは】
CNPを持っていると様々な店舗で割引が受けられるサービス。オリジナルアプリの公開によって店舗側、ホルダー側ともに簡単な認証を実現した。

road:さまざまな店舗と提携することができ、いまは130店舗以上に拡大しました。特に話題となったのは、毎週金曜日に油そばが無料で食べられるお店や、焼肉カルビが無料となるお店など飲食系でしたね。CNPを持ってる人がお店にきてくれた!と店舗のオーナーさんからも評判がよく、価値を感じてくれてます。NFTの話ができて嬉しいというのもあるようです。知らなかった近所のお店に行く機会になったり、旅行のついでに立ち寄ってみよう、など緩い交流が生まれています。

ふるさと納税NFTは、あるやうむ社さんとの協業です。現時点で、7つの自治体で決まりました。従来の返礼品としてのNFTは一件ずつカスタムしているものが普通でしたが、ふるさとCNPはフォーマット化してスピード感を持って展開できるものになっています。CNP運営が直接動かなくても広がっていく状況ができました。
日本円・請求書払いでのCNP販売も、予想以上の反響がありました。企業にもNFTの研究や参加のためにCNPを保有しておきたいというニーズがあることを実感しています。

第3章 ファウンダーroad氏と運営メンバー

みーん:roadさんはファンコミュニティやSNSマーケティングの会社の社長さんでもありますよね。その知見もCNPの運営に活かされたのでしょうか?

road:そうですね。NFTプロジェクトも大きな視点でみるとファンコミュニティという一面があります。運営として、コミュニティの意見を取りまとめながら企画を推進することは本業でもずっとやってきました。ただCNPは会社としての受注ではなく、私のファン活動です。CNPによって対価が発生している訳ではないので、今年は会社の仕事との両立のために、めまぐるしい一年となりました。

みーん:CNPで儲かっている訳ではないんですね…

road:CNPは、売上の50%を税金や専門家への報酬で確保、残りの50%をCNPの価値向上に使う設計になっています。半年で20,000回と予想以上に取引が発生し、価格も一次販売価格の0.001ETHから2ETH以上へと当初の予想以上に評価いただき、二次流通でのロイヤリティ収入も多くなったので、その利益でアプリをつくったりゲームを開発したりと進めることができました。NinjaDAOには、多種多様なジャンルの専門家やクリエイターが集まっているので、専門性のある作業では対価を発生させるなど経済圏もできてきています。

みーん:運営スタッフは何人くらいいるのでしょうか?

road:運営メンバーとして名前を出しているのは、広報、マーケティング、エンジニア、リードデザイナー、そして私で計5人ですね。実務に対して、給料が発生するような契約になっているのは広報、エンジニアで、マーケティングのイケハヤさんは、マーケティング担当という形で名前を入れていますが対価は発生していません。クリエイターのチームは、必要に応じて発注をするという形です。

みーん:6.5万人となる規模の国際的なコミュニティで、コアメンバーが5人というのは大変そうですね。でも、NFTプロジェクトは少人数の方がやりやすいという話も聞いたことがあります。

road:それは頷けるところがありますね、意思決定が速いことは大事です。私たちは、それぞれがスタンドプレーで動いています。全員でのミーティングも1回もやったことないですし、声を聞いたこともない方もいます。コミュニティは運営が力を持つのではなく、フラットで対等な関係が理想です。むしろ私たち運営が活動のバックアップ担当として一番下に位置するくらいがいいと考えています。

みーん:CNPはリアルイベントを開催しないイメージがありますが理由はありますか?

road:できるだけコミュニティ内に格差をつくりたくない、という方針があります。例えば東京でイベントを開催すると、地方や海外の方、子育て中のママさんなどは参加が難しい。そういった方々に目線を合わせているところもあります。私自身、スタンスとしてオンラインの中でしか活動しないようにしています。もちろん、これは個人的なこだわりなのでオーナーさんたちが、それぞれが集まって仲良く楽しむのは大歓迎です。 ちなみに、CNPではすべての活動のプロセスを公開してます。プロジェクトがリアルタイムに進行し参加もできる。リアリティーショーのように楽しめるのもCNPの魅力ですね。

みーん:他のNFTプロジェクトに対して思うことはありますか?

road:CNPのやり方を参考にしすぎているプロジェクトが多くなってしまったかもしれません。必ずしもCNPのスタイルだけが正解ではないんです。もっと自由なプロジェクトが生まれた方がいいなと感じるところはあります。

第4章 絆やガチホはCNPのスタンスではない

賛否両論ありますが、イケハヤ氏が最近よく使う「絆」という言葉はどう思っていますか?

road:私はこの絆という表現は、適切でないと思ってます。CNP含め、NinjaDAO は集まりたかったらきてもいいし、距離感や関わり方も自由なコミュニティです。フラットでオープンな雰囲気ですので、実態とそぐわないかなと。ただ、NinjaDAOは「絆」と揶揄される場合が多いので、イケハヤさんはあえてこの言葉を使っていると思います。「ガチホ」は結果の話で、長くホールドしてくれることは私も嬉しいですが、CNPとして行動を制限するようなメッセージは出していないです。むしろ売りづらいということは、買いづらいということなのになるのでNFTの流動性の低下に作用します。

これについては、今でも誤解されている様子を見るので、Twitter でも「CNPはガチホ推奨してません」とことあるごとに発信しています。 イケハヤさんが関わる別プロジェクトのマーケティング上のメッセージが、CNPのメッセージと捉えられて誤解されてしまう、ということからきていますので、個人的には「イケハヤさん、CNPと他のプロジェクトのメッセージを分けてやってよ」と思うこともありますね。

NinjaDAO のファウンダーのイケハヤさんの発言がネットを騒がせることもはよくあり、 私がファウンダーであるCNPも混同されることがよくあります。 NinjaDAO の活動にアンチ的な意見もよく聞きます。これに傷ついてしまっているメンバーもいるので、心を痛めるところもあります。外から見ると、NinjaDAO、CryptoNinja、CNPの違いがわからないかもしれませんし、個人としての活動もありますので、私は「これはCNPの話」「これはインフルエンサーとしてのイケハヤさんの話」と区別して伝えるようにはしています。

road氏がプレゼンに使用した図

いまは個の時代から、コミュニティの時代には確実に移っています。
ただ「絆」というネーミングは、古いタイプのコミュニティという感じがします。NinjaDAOはもっと自律した個人の集まりですね。

また、ガチホ推奨はLLACというプロジェクトのALの配り方で「CNP含め他プロジェクトのホールド状況をスクリーニングの対象にする」という施策なので、CNPとは別のプロジェクトの話です。これが変な形で炎上して「CNPを売ると罰を受ける」みたいなデマが出てしまっている。 ただ、海外の投機的なNFTの取り扱いではなくて、日本の推し文化をベースにした NFTの取り扱いが「ガチホ文化」として、海外コミュニティにも関心持たれてることは好意的にとらえてます。

第5章 今後のビジョン

みーん:今後のCNPについておしえてください!

road:IPやキャラクターを広げていくこと、今後もそれを加速していきます。来年はまず、スマホゲームのリリース、そしてCNPテーマソングの公開が予定されています。まだあまり言えないことも多いですが、ワクワクするようなことが決まってきています。

みーん:roadさんが考える「CNPのゴール」はありますか?

road:「アンパンマンのような存在」ですね。子供が選んでくれるキャラクターにしたいです。紙おむつにCNPが印刷されるようになれば最高です。今までの人気キャラクターは製品化などに対価が必要でしたが、CNPであれば無料で使うことができます。そうなれば、おむつの出費を抑えることができるかもしれませんね。

CNPは公共としてのIP/キャラクターになると信じています。これから日本を代表する新しいIPの形として広まっていってほしいですね。

■CryptoNinja Partners(CNP)リンク
web site:https://www.ninja-dao.com/cnp
twitter:@cnp_ninjadao
road | CNP Founder @road_ninjart

■書いた人:miin @NFT情報コレクター @NFTPinuts
miin l NFT情報コレクターというtwiterアカウントでNFT情報を発信しています。年末なので気になっていた国内NFTプロジェクトやサービスのみなさんにインタビューをしました  ⇒インタビュー「みーんたびゅー」とは

12/16(金)より5日連続noteで記事を更新していきます!
公開済▶「CryptoNinja Partners」
公開済▶
「BONSAI NFT CLUB」
公開済▶
「Vhigh!」
公開済▶
「dango」
20(火) 「miinさん」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?