盆栽×NFT「BONSAI NFT CLUB」世界を熱狂させるための成長戦略
miin l NFT情報コレクターというtwiterアカウントでNFT情報を発信しています。年末なので気になっていた国内NFTプロジェクトやサービスのみなさんへインタビュー。12/16(金)より順次、記事公開しています。
■BONSAI NFT CLUBとは
「盆栽を世界中のアート好きが熱狂するコンテンツへ」をかかげたプロジェクト
今回はファウンダーのMAJISUKEさんにインタビューしました
みーん:なぜ、盆栽×NFTをはじめたのか教えてください。
まじすけ:僕は3年前に、海外マーケティングの支援事業を行う会社を起業しました。その会社で、愛媛県の盆栽園さんの海外進出のお手伝いをさせていただいています。僕らは、どうやったら盆栽を売ることができるかを探っていました。
盆栽生産者が高齢化、平均年齢が70代の衰退産業になりつつある
海外では5~10倍の価格で取引されていることもある
国内外の若い世代にも浸透させるため、盆栽ブームを起こしたい
どうすれば盆栽の市場を活性化できるか、世界に広げられるかを考えました。そして「盆栽を世界のアート好きが熱狂するコンテンツにすること」が実現への道だと気づいたんです。年間7兆円といわれるアート投資市場から1%でも盆栽に取り込むことができれば、盆栽市場はとんでもなく成長します。
では、いまアートに投資したい人が集まっている場所はどこなのか?若い世代を中心に盆栽ブームを起こすにはどうしたらいいか?それを探していた時に、NFTと出会いました。
みーん:国内のNFTプロジェクトでは「NFTで何ができるか」がスタートしているものが多い中で、リアルの盆栽を売るため、というのは起点になっているのは新鮮ですね。
まじすけ:既存の盆栽コレクターではなく、NFTアートのコレクターに盆栽を保有していただきたかったんです。 NFTでアートへの投資をはじめた方には、盆栽にも投資価値を感じてもらうことができるはずだと。
■BONSAI NFT CLUBの歩み
STAGE 1 : BONSAI NFT CLUB
まじすけ:まず、Twitterアカウントを立ち上げ「BONSAI×NFTやります!」とツイートしました。すると20フォロワー程度なのに300RT以上と大きな反応があり、手応えを感じました。
まじすけ:そして、いいね!を押してくれた人全員にお願いしてオンラインミーティングをしました。このインタビューはその後も続けていて、BONSAI NFT CLUBを購入してくれた方とは、ほとんど全員とお話しています。
みーん:全員へのインタビューはすごいですね
まじすけ:購入いただいた方にも、様々な動機があることがわかりました。イーサリアムがまだ1万円台で取引されていた頃から仮想通貨を触っていた方は、クリプトを使って新しい体験ができることに魅力を感じてくれていました。また物理的なアート作品のコレクターさんからは、盆栽にもアート性を感じて購入に至ったというお話を聞くことができました。
みーん:BONSAI NFT CLUBはdiscordがとても活発ですね。「明日の東京は台風だから盆栽を部屋の中にしまおうね」など、声をかけ合っているのが印象的でした。
まじすけ:盆栽歴15年以上の講師から、盆栽育成について学べるコミュニティになっています。盆栽は基本的に水やりだけで育つのですが、元気がないときの対処や枝切りなど、ひとりで調べて育てていくのは大変です。いつでも質問できるコミュニティができているのは、盆栽を育てる最高の機会ですね。
STAGE 2 : BONSAI NFT FARM
まじすけ:BONSAI NFT FARMはこういうのを作りたい!という明確な目標へ賛同してNFTを保有いただく「ビジョン型」のコレクションです。アニメをつくりたい!という目標を掲げて販売した新星 Shinsei Galverseさんに近い部分もあります。
BONSAI NFT FARMのビジョンは、本物の盆栽園を開園しオリジナル盆栽ブランドを作り上げることです。TwitterでALの配布をはじめたのですが、最初に大きく反応してくれたのがDOZAN11(三木道山)さん。「若い子が日本の文化を大事にしたいって、最高だね」と言っていただけて、giveawayのツイートも拡散されました。「あ、あの三木道三さんがやってたやつですよね」と新しい層にも認知していただけました。
みーん:当時の盛り上がりはタイムラインで拝見していました!ただ、8,031体は完売しませんでしたね。これは計算外でしたか?
まじすけ:販売期間中はずっと心臓バクバクで….2週間、夜もほとんど眠れませんでした。期待してくれたユーザーさんたちに、利益を還元できてない状態が申し訳なくて。ただ、完売しなかったからと安値で売りに出されるということもなく、支えていただいているホルダーさんには感謝しています。
そして、パブリックセールの終了後、僕らはスポンサーミントという施策を始めました。
まじすけ:シーズンごとに300件程度の盆栽発送がありります。盆栽をいれダンボールにチラシをいれることで宣伝媒体になります。通常ダイレクトメールの開封率は3%程度ですが、盆栽のダンボールの開封率はほぼ100%。さらにNFTホルダーに向けたターゲティング広告ができるシステムとなります。web2からweb3に入りたい企業さんたちにもお声がけしたところ、新しいマーケティング手段として絶賛いただきました。フロアプライスよりも高い定価での販売にもかかわらず、計500体以上を購入いただくことができました。
2月にリアル盆栽園がオープン
まじすけ:現代盆栽アーティストの平尾成志さんが新たにオープンする盆栽園の中にBONSAI NFT CLUBの盆栽園ができます。
すでに海外にもホルダーさんはいるのですが、盆栽の海外発送には検疫や規制面でいくつかハードルがあります。いまアメリカ、イギリス、シンガポールは現地の盆栽園さんと提携して発送可能になりましたが、全世界で実現したいとおもっています。そのために、僕らが自分たちの盆栽園をもっていると、格段に輸出しやすくなります。さらに海外にも盆栽園を展開していく構想があり、今回の盆栽園はその拠点となる第1号店となります。
「BONSAI NFT FARM - SEASON2」
12/19(月)「クリスマス&お正月BONSAI」販売開始
販売数: 600体 販売価格: 0.03ETH
まじすけ:セールで残った2,500体のBONSAI NFT FARMは、今後定期的に固定定価で販売していきます。日本の四季を感じていただくため春夏秋冬のシーズンにあわせたリリースとなります。今回の「クリスマス&お正月BONSAI」は600体の販売となり、さいとうなおき先生たちによるNFTコレクション「MEGAMI」とのコラボNFTも含まれています。BONSAI NFT FARMと同じコレクションとして、10体以上の保有で盆栽が家に届くなど同じユーティリティが提供されます。
「盆栽を世界のアート好きが熱狂するコンテンツへ」
みーん:今後のBONSAI NFT CLUBの展望を教えてください!
まじすけ:4月に開始予定の「BONSAI NFT MUSEUM」は盆栽美術館を設立するプロジェクトとなります。まだ詳しいことはいえないのですが、展示される盆栽にはNFTが紐づきディスプレイにリアルタイムでホルダー名が表示される、これまでにないシステムになります。
僕たちのビジョンは最初から変わることなく「盆栽を世界のアート好き・投資家が熱狂するコンテンツへ」です。盆栽を全世界の人々からの投資対象にする。そのためにセキュリティに守られた盆栽美術館で、超高級盆栽を取り扱うことが実現することは最終系の一つとなります。
■インタビューの感想
デジタルアートの販売やコミュニティ形成を起点とするプロジェクトとは異なり、NFTを物流や文化面での課題を解決するためにNFTを活用(今回の場合は盆栽を世界に届けること)するプロジェクトでした。RTFKTやAZUKIをはじめ、アパレルなど現物をホルダーに届けるプロジェクトも増えてきました。デジタルからリアル世界での体験に繋げるNFTのユースケースとして、BONSAI NFT CLUBの今後には注目したいと思いました。またインタビューを通じて、まじすけ氏のNFTホルダーに損をさせたくないという思いも強く伝わってきました。
■BONSAI NFT CLUB
Twitter @BONSAINFTCLUB / Discord
■書いた人:miin @NFT情報コレクター @NFTPinuts
⇒miinのNFTインタビュー「みーんたびゅー」とは