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【実証実験結果報告】日本で2番目に小さな町の、小さな小さなMarche

MiiMo Marche 実証実験 店長の藤本万莉子です。8月22日から9月1日の2週間でMiiMoにて実施した三宅町産農産物販売の社会実証実験について報告します。

きっかけ

美しい田園風景が広がる三宅町。
でも、町内で生産された農産物を買える場所がないという町民さんの声。
小さな町だからこそ、地産地消の循環を回すことができるんじゃないかというほのかな期待。
MiiMoで野菜を売っていたら、MiiMoにやってくる人たちは、野菜を見てなんて言うだろうか。
学童のお迎えにくるお父さんお母さんたちの助けになれないだろうか。
生産者さんと野菜を買う人の両方にとってwin-winな仕組みにできるだろうか。
それを確かめるために、2週間の実証実験をすることにしました。
トマトやきゅうりの全盛期は実は初夏。思い立ったのは8月頭。
季節がら、これからどんどん野菜が少なくなる時期。
たくさんの農産物は並べられないのでは?
いや、スーパーの価格が上がる時期だから逆に良いのでは?
9月になると露路でとれる野菜はもっと少なくなります。
そうなる前に、今すぐ初めてみよう。
2週間後から実験を開始することにしました。

協力いただいた生産者さん

今回の実験では最初に、毎週日曜日に町内を回って野菜を販売されている街づくりの会の生産者さんにマルシェへの農産物の出品をお願いしました。初日に出品してくださった生産者さんは3名、生産者さん同士の口コミでも広がり、2週間で合計7名の生産者さんに出品いただきました。 
 毎日並んだ白・紫・緑のカラフルな茄子
 ぷっくりして、そこら中にいい香りを漂わせるピーマン
 棘が見えるほど新鮮なきゅうり
 スイカは切って見ないと美味しいかどうかがわからないから、とMiiMoで半分にして売りました。スイカに包丁を入れ、断面を入れる瞬間はいつもドキドキ。全部美味しいスイカでした。 
 いちじくがあったら嬉しい、というマルシェユーザーの声を受け、幸田課長が生産者さんに直談判。いちじくを狙って訪れる人が出るほど人気になりました。

MiiMo Marcheの仕組み

実証実験のスキームには4つの特徴があります。①買取方式、②無人販売、③つけ払いOK、④包装なし(または簡易包装)です。
①毎朝生産者さんが野菜を持ち込んでくださると、生産者さんと相談して想定販売価格を決めます。そして、想定販売価格の70%をその場でお渡します。地産地消の循環を産むことが目的なので、安売りしすぎないこと、でも、スーパーに行くよりMiiMoで買おう、と選び続けていただけるようにすることをモットーに、ちょうど良い価格設定を目指しています。
②MiiMo受付前という立地と町内の皆さんの信頼関係により、無人販売でやれています。
③図書館にきた時に野菜が目に入った!でも、お財布を車に置いてきた!というときでも安心。つけ払いOKです。次にMiiMoにきた時に払ってください。
④野菜は果物など特殊なものを除いて包装せずそのままの姿で売っています。みなさんカバンにちょっと野菜を忍ばせて、または野菜を抱っこして帰られます。

実証実験の結果

8日間での利用者はのべ180人を超え、売上は55,000円となりました。入荷した農産物はほぼ当日または遅くとも翌日までに売り切ることができ、残念ながらダメにしてしまった野菜は片手で数えられるくらいの数で終えることができました。

生産者さんの声
このくらいの手取りはほしい (そうですね、ではこのくらいの値段で売りましょう)
包装しなくていいのは楽 (みなさん好意的に包装なしで買ってくださっています いい時代!)
継続して続けてほしい(これからです!)
生産者の知り合いに声をかけてもいいのか?(ぜひ一度持ってきてもらってください)

野菜を買ってくださった方々の声
あれ、いつからやってたの? (昨日始めました!)
明日は何が入るの? (明日にならないとわかりません。でも季節がら、ナスとししとうは毎日あります)
スーパーで見たことがないこの野菜はどうやって食べるの? (生産者さんおすすめの食べ方は・・・・)
この値段で買えたらとても嬉しい (またきてください)
ちょっと高いな (朝採りで、サイズも大きいからです)
良いものはちゃんとした値段で買うので、買い叩かないでほしい (その通りですね!状態、季節、燃料費など考慮してフェアに価格設定していきたいです)

2週間の実証実験で、以下のことがわかりました。
・MiiMoに訪れる人に農産物購入の需要があること
・①買取方式、②無人販売、③つけ払いOK、④包装なし(または簡易包装)の4つの特徴により、win-winの型ができる兆しが見えること
・広報活動の不足や導線の悪さにより、学童のお迎えの方に利用してもらえたケースは限定的だったこと

実証実験を延長します

継続して実施できる事業にするための検証を続けます。
MiiMo Marcheは無人販売ですが、朝の仕入時間は野菜の受け入れ、値付け、陳列の作業が必要です。
この仕事を持続的に実施することができるか、が検証の1つ目です。
この仕事に携わってくださる方を募集します。(詳しくは別のノートにて)

また2週間の実証実験では知ってもらえなかった方々にMiiMo Marcheの情報をお届けし、利用者が増えるか、出品してくださる生産者さんが増えるか、関わる人が増えることによりわかる別のニーズがないか、を探ります。
現在行なっていない加工品の販売についても検討して行きたいと思っています。

地産地消の循環を産み、三宅町のwellbeing指数をもっと上げるため、今後もMiiMo Marcheにたくさんのご意見をお待ちしています。

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