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#021知的障害重度の自閉症、再び企業で障害者雇用のチャンス②実習編


企業就労へ向けて

2022年。
お盆を過ぎた頃。

Kの通う自立生活訓練事業所の方から

「就労のお話しがあります。」

とのことで。

ちょうど通所して半年目の
モニタリングを行う時期だったので
管理者の方と面談を行った。

前回のお話はコチラ


「少人数規模で室内での
 水耕栽培のお仕事です。」

とのこと。

自立生活訓練事業所は。

いろんなことを学んだし
楽しい場所ではあったけど。

少し物足りないかな?

ということも感じていた。

私だけの思い込みかと
思っていたら。

管理者様も同じように
感じていたようでした。

必ず作成する必要のある
支援計画書のことについては

「計画書に書くほど支援が
必要なことはもう彼には
ほとんどないのです。
彼は自分の意志表示さえ出来れば。
ヘルプを出すことができれば。
あとはそのくらいなのです。」

とのお話をききました。

不安定だった学生時代

 
小学校の時は何もかも
うまく行かなくて。
Kは泣いてばかり。

カベに頭をゴンゴンと
打ち付ける自傷行為とか。

ハサミで自分の髪を切って
ざんぎり頭になったり。

服をハサミで切ったり。

行方不明になって
全国手配になり、警察犬も出動。
夜中の12時半にパトカーに
乗せられて帰宅したことも

とにかく不安定でした。

特別支援学校の高等部に
なってから、いろんなことが
出来るようにはなりましたが。

どこか、おどおどしていました。

社会人になってからは?



19才になった社会人の
現在のKは。

自立生活訓練事業所が
楽しくてしかたない様子で。

他利用者さんたちや
職員さんたちと、
いい感じの距離感で。

まさに青春を謳歌していて。

生きる気力に満ち溢れていました。

とのお話を聞いていた。

もうそのころには、
電車の遅延があった時など
Kと電話で連絡をとることが
できるようになっていた。

事業所に多数いる利用者さんの中で

Kくんにピッタリの
職場だと思います!

と、太鼓判を押して
推薦して下さったので。

チャレンジすることになった。
 

職場実習へ

そしてすぐに実習の
日程が決まり、
企業実習へいくことに。

初めての通勤


電車の時間、通勤のルート
待ち合わせ場所の確認や、
その付き添いも。

事業所さんがしっかりと
対応して下さったので
大変助かりました。

親が付き添うと、あれこれ
言ってしまったりしまいがち。

ここがポイント!

何でも親がやってあげなきゃ、
って思っていませんか?

我が子を支援して下さる人、
我が子と関わってくれる人、

我が子の味方を増やして
いくこと、これ大事!


19才はもう成人です。


Kが19歳になり、同い年の子は
大学に行き始める年齢です。

「大学が遠くて、今年から
 うちの子、一人暮らし始めたの。」

なんて話をチラホラと
聞くことがありました。

そうだよね。
普通はそうやって親から離れて
自立していくような年ごろ。

適正な時期に、
適正な距離を
取っていかないと

いつまでもお互い依存して
親離れ子離れができない。

若干のさみしさはありますが
自分の感情を優先せずに

「本当に我が子に必要なこと」を
見極めていく必要があります。

信頼できる事業所さんに
めぐり会えたので
信じてKを託しました。

思春期であり、
反抗期も始まったK

きっと、今がその時。



 
 

実習の様子は?


約一週間の実習。
無事に終わりましたが

一切様子はわかりません。
Kに聞いても何も
教えてくれないし。

自分が19才だったら。
慣れない場所で一日
頑張って疲れている時

親にあーだこーだと
聞かれたらウザいかな、
と思って、特に聞かなかった。

モニタリング

企業の人事の方と、事業所さんと
保護者と、本人で振り返りの
モニタリングがありました。

作業自体はすぐに覚え、
そして時間いっぱい集中して
しっかり作業をこなすことが
出来たそうです。

ちゃんと成長していました。
ちゃんと、いろんなことを
こなせるようになっていました。
 

感想もひとあじ変わった!

 

「実習をやってみてどうでしたか?」

と、企業の方に聞かれ。

今までなら。

「楽しかったです。」
「頑張りました。」

の、二択でした。

が、今回は。

両手で何かを折り重ねるような
しぐさをしながら、

「半分に折ってやりました」

何かを重ねるようなしぐさで

「コップを使ってやりました」と

きちんと、自分の言葉で
感想を説明していました。

Kの言葉を聞いて
ちょっと感動しました。

やっぱり。
ちゃんとわかっているんだな、
ということがわかりました。

たくさんのことを体験して
理解して、それが言葉になって
きちんと表出したのが
このタイミング。

人が成長するには時間がかかる。
19年かかったけど、
それが出来るようになった。

あせらずにKのタイミングで。
その過程が大事なのだと思います。


モニタリングも終わり。


結果がどうなったのか
わからないまま

自立訓練事業所さんで
いつも通りの日課を過ごしていた。

そして一ヶ月経った頃。
 

再実習の要請


「もう一度、実習に来てほしい」

とのお話がきて。

また、実習へいくことになった。

見込みがあるから、
また実習に呼ばれたんだよね?

と、いやでも期待してしまう。

再実習に行った時。

Kから仕事中に電話がきた。

「おかーさん、〇〇?!」

目的駅についたのだと思って

「そうそう、〇〇駅だよ。
あってるよ。がんばってね!」

と言って、電話を切ってから
GPSを確認したところ…

迷走中だった。


一ヶ月ぶりに行った
駅だったため、
目的駅を乗り過ごして
しまったらしい…

困って電話をしてきたようだ。

でも!

ヘルプを出せるのは
とても大切なこと!

それがちゃんと出来るように
なっていたことに感動しつつ。

再び電話をかける。


母「今、〇〇駅にいるの?」

K「いるの。」

母「反対行きの電車に乗って
△△駅まで戻って下さい。」

K「もどります!」

と言って、電話がきれた。

私は仕事中だが
気が気じゃない…

仕事中にコソコソと
スマホを見て確認すると

正しい方向に向かって
移動していることが
GPSで確認できた!

よかった!
ほっと一安心。

目的の駅まできちんと
行くことができた。

乗り過ごしてしまったけど、
自分でちゃんと対応できる
ということが実習中にわかって
逆によかった、と思った。


そして、さらに一ヶ月か過ぎて。

面接の日が決まった。

続きます。


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