気まぐれな起承転結(小説)
#3
人間は、好奇心で進化したのだ。
語るのは、
この世界に来る前に読んでいた新聞記事。
新聞をめくる乾いた音や、包装用紙のような香り、そして、縁の小さなギザギザがめくる手を擽ぐらせる感覚。
私以外「文字」という概念を知らない世界に紛れ込んでしまった。
まるで新しい言葉が辞書に入ってくるように、その言葉に対して知ろうという好奇心が向けられない限りは、誰も信じてくれない。
そういう世界になっている。
好奇心を持つべきかどうかは未来になっても分からない。
前例は、ここにはもうないからだ。
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