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なんてことないこと

あの木に葉が生い茂る頃、
それを美しいと思う心はそこに在るのだろうか

近くで聴こえる若く生命力溢れる声と
遠くどこからともなく聴こえてくる木々の囁きに
ひどく心が揺れる

足元では小さな生命がせっせと駆け巡り
空を見上げれば雲が移ろい
風にのって煙が儚く消えていく


一つ一つに栞を挟む日々。
いとまもなく心は動き続ける。
抗うことはできず、受け止めることもできず。

言葉を、待たない。
心を、信じる。
どこに向かうでもなく、
陽を浴び、風に吹かれ、雨を迎え入れる。


精一杯。

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