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出産して死にたくなったママの実話

発症前①

これは私が、出産したことで、精神疾患を発症し、命を断とうとした後、回復して社会復帰した奇跡の軌跡です。


看護学校を卒業した後、
私は公務員試験を受けて
念願の行政の保健師になり
保健所でやりたかった精神分野の
保健師になりました。
もともと母も看護職で
病気をどう予防するか
そして途上国での医療支援に
興味があった私。

学生時代は東南アジアやアフリカの
途上国へ行き、
貧しいながらも目がキラキラした
途上国の子供達や若者に出会って
『どうして恵まれているはずの日本で
なぜ自殺者は後を経たないんだろう』
『なぜ80人に1人がひきこもっているのだろう』と心の問題が気になっていました。

学生時代に行政型のいのちの電話で
何千人もの方の相談にのり
実際に動けないことのもどかしさを
感じていたから
実際に精神分野に関われることが
とても嬉しかったです。

そこから私の精神保健、福祉の実務が
始まりました。
随時かかってくる電話への対応はもちろん
特に心に残っているのは医療介入。
1番一緒に仕事をした他職種は
警察官であったように思います。

盗聴器のブザーが庭中、部屋中に置かれた
当事者の立て籠もる家に、
家族が窓を割って入って、
一緒に病院に行くことを説得したり
病院から脱走した患者さん、
家中の家具をバリケードにして立て籠もる方、
薬漬けになり警察で呂律の回らない中涙を流す若者…
病院に連れていく時には、
正直こんなところに入るのか
と何度も心が痛むことが
ありました。

もちろん退院して
一緒に働く場所や新しい住まいを探して
新しいスタートを切るような
明るい場面もありました。

当時は本当の意味では
当事者や家族の思いは分からない
けれど分からないなりに
必死で寄り添い
どうやったら良くなるのか考え
煮詰まる
そんなことの繰り返しでした。

そしてまさか自分が患者として、
精神科に入院するなんて一ミリも思いませんでした…。

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