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海に現れた巨大プラスチック回収機

今更かもしれないが、環境問題に取り組む凄い人物を知ったので、ご紹介したい。

皆さんは、NPO団体「オーシャン・クリーンアップ (The Ocean Cleanup) 」をご存知だろうか。

2013年に当時18歳であったオランダのボイヤン・スラット (Boyan Slat) 氏によって設立されて以来、彼らは世界各地で海洋プラスチックの収集に挑戦している。

スラット氏がギリシャでダイビングをした時に、魚よりもプラスチックゴミを多く目にしたことがきっかけで始まったこの挑戦。TEDトークに出演したことも寄与し、今やセールス・フォースやマイクロソフトといった名だたる大企業をはじめとする、グローバルな支持者の注目を集めるプロジェクトだ。

5年以上の年月をかけて、巨大海洋清掃装置を開発し、2019年後半には遂に、潮流の影響で海洋プラスチックが特に密集する「太平洋ゴミベルト」(ハワイとカルフォルニア州の間に存在する)でプラスチックの回収に成功している。

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写真:The Ocean Cleanup - 太平洋ゴミベルトでプラスチック回収を成功させた、巨大プラスチック回収機「SYSTEM 001/B」。

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写真:The Ocean Cleanup - 「SYSTEM 001/B」によって回収されていく、太平洋ゴミベルトを浮遊するプラスチックゴミ。

現在は大海原だけでなく、マレーシアやインドネシア、ドミニカ共和国といった国々で河川クリーンアップにも着手を始めている。

今後も世界中に存在する河川から戦略的に1000本を選出し、プラスチックゴミの回収を行っていく。河川の清掃はもちろん、プラスチックの海洋流出を事前に阻止することが狙いだ。

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写真:The Ocean Cleanup - ドミニカ共和国の首都サント・ドミンゴに到着した、河川用プラスチック回収機「インターセプター(interceptor)」(写真中央)。

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写真:The Ocean Cleanup - マレーシアのクラン川でプラスチックゴミの回収する、「インターセプター(interceptor)」。

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写真:The Ocean Cleanup - インドネシア・チェンカレン用水路にも出現。

回収したプラスチックはというと再利用し、製品化することが計画されている。最初の製品は、2020年9月に発表される予定だそうだ。

最近はプラスチックの再利用と聞くと、お金のニオイがぷんぷんする気がするが、それゆえにオーシャン・クリーンアップ以外からも、画期的な新ビジネスが誕生することを期待したい。

それにしても、なんて行動力のある若者なのだろうか。ふとした心のざわつきから、導き出した問題解決策のスケールの大きさには思わず感嘆の声がもれた。「私も何かの形で早くあとに続きたい!」そんな気持ちさえも抱かせてくれた。心に響く出会いの、このなんとも言えない温かさは言わずもがな、格別だ。

人類存続のためにも、自分へのインスピレーションのためにも、地球の未来に明るい希望の灯火を照らしてくれたこのプロジェクトに、今後も注目していきたい。

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写真:The Ocean Cleanup - 太平洋ゴミベルトで回収された、コンテナいっぱいのプラスチック。これらは一体、これからどんな姿に変身するのだろうか。

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参考:
脱プラスチックへの挑戦 堅達京子著
https://wired.jp/2019/11/11/ocean-cleanup-interceptor/
 * 画像は全て The Ocean Cleanup が提供しているものを使用しています。

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