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氷砂糖事件

今思い出すとなんてことない只の中学生時代の思い出です。
高校では許されていましたが、小学校、中学校では学校にお菓子を持ち込むことは禁止されていました。
しかし僕はお菓子が大好きなので、隠して飴などを持っていくことがありました。僕は不良ではなかったので、授業中に食べるなど派手なことはしていなかったのですが、休み時間や放課後の部活までの間は隙を見つけてこっそりと食していました。
飴の中でも特に気に入っていたのは氷砂糖でした。飴とカウントしていいのかは正直不明な所ではあります。恐らく紅茶とかに入れるやつだし。

先生に見つかるのは避けたい所ですが、友達に見つかる分には問題ありません。むしろ友達がお菓子を持ってきていると知ればそれを貰いたくなるのは当然の摂理でしょう。
かくして僕は友達に氷砂糖をあげることになったのですが、お菓子をあげる、貰うというムーブの中で一つの遊びが出来上がっていきました。
それは言うならば配給ごっこでした。
不謹慎で大変申し訳ないのですが、戦時中の食事の配給を模しまして、氷砂糖を受ける側は一列に並んでもらい、あげる側もそれっぽく氷砂糖を渡すというものでした。内容は至ってシンプルですが、学生なんてものはそれだけで充分盛り上がれるものです。楽しいし、氷砂糖は食べれるし正にwinwinでした。
しかし、この遊びは突如打ち切られることになります。物資の支給が滞ってしまったからではありません、先生に見つかってしまったのです。(もしくはチクられたか)

バレた日の放課後、部活前に僕は一人顧問に呼び出されました。氷砂糖支給の発端であるA級戦犯として。
思ったより厳しめに怒られました。
こんな事してどうなると思ってるんだとか色々と言われた気がします。
いつも説教を受けると酷く落ち込んでしまう僕ですが、その日の頭の中では、どうしてこの人は氷砂糖のことだけでこんなに怒れるんだろうとか、こんなことで怒るなんて時間のムダだよ、早く練習見てあげなよくらいにしか思えませんでした。
何しろ議題が氷砂糖なのですから。上の先輩の代ではタバコの吸殻が見つかって大騒ぎになったこともあるのに僕は氷砂糖でこんな言われる?事が可愛すぎませんか?
しかし罪は罪です。僕は罰として禁固刑を受け、中学生時代の長くを地下牢で過ごすはめになりました。

文字に起こすのも馬鹿馬鹿しい話ですが、なんとなく思い出したので書いてみました。皆さんにもこのような思い出があるでしょうか。
そしてもし氷砂糖を食している僕を見つけたら貰いに来てください。今度はチョコレートをあげる米兵のように渡してあげたいと思いますので。

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