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Book Review 「たくさん読むよりじっくり読みたい」

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たくさん読むより、じっくりと。 今すぐ役に立つことより、じんわり効いてくる言葉を。 ライター・矢島美穂がゆっくり楽しんだ本をレビューします。不定期更新。
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#読書感想文

たくさん読むよりじっくり読みたい|はじめに

たくさん読むより、じっくりと。 今すぐ役に立つことより、じんわり効いてくる言葉を。 今年の読書に思い描くのは、そんなこと。 * 所属して3年目になるオンラインコミュニティがある。 自分の内側と向き合い、他人に流されない自分なりのあり方を模索している。 親和性の高い仲間が集う、大好きな場所。 学習欲が高く、好奇心も強いメンバーには、読書好きも多い。 おすすめの本も次々と舞い込んでくる。 けれど――ここ最近、そこで話題になった本を手にとっても、ピンとこないことが続いた。

美しい距離

うちの娘たちは、毎朝自分で着替えを選びます。 小学2年生になった長女は、毎朝TVのデータ放送で天気予報を開き、気温をチェックしてセレクト。少し前まで「20℃???」という感じだったようですが、毎朝繰り返すうちに「20℃以上の晴れだったらこれを着て、それくらい温かいけれど曇りだったり、17~20℃くらいのときはこっち」と経験値をお洋服に置き換え始めている様子。 対して5歳になりたて、年長の次女は、徹底的にお気に入りのお洋服を着倒すタイプ。そのため、それを着るのを前提に、気温

Book Review『本を出したい』~これはもはや「唯一性分析本」!

ライター・コラムニストの佐藤友美(通称・さとゆみ)さん。さとゆみさんが主宰する「東京道場」と銘打たれたゼミを受講し、烏滸がましくも、私も教え子の仲間入りをさせていただきました。 そんな師匠が、先日の最新の著書を出版。 その名も、「本を出したい」。 ――タイトルだけを見たら「自分には関係ない」と感じる人、少なくないと思う。けれど、それを理由にここで離脱したら、きっと損します。 確かに、「本を出したい」人にとっては、そのための着眼点やHowToを惜しみなく(いや、むしろ”

Book Review|神さまたちの遊ぶ庭

読んだ人が、みんなこの本を大好きになってくれる。 だからぜひ読んでほしい。 ――著者自らそんな風に表現する本って、なかなかない。 そして、まんまと私も大好きになってしまったのが、「神さまたちの遊ぶ庭」。 著者の宮下奈都さんの代表作と言えば、本屋大賞も受賞し映画化もされた「羊と鋼の森」。まさに私が「じぶん実験」を始めた3年ほど前、この1冊をきっかけに宮下さんワールドにどっぷりはまった時期があります。が、その時は「神さまたちの遊ぶ庭」は読まなかったんです。図書館で見当たらなか

Book Review|さみしい夜にはペンを持て

おみくじで言ったら、「吉」以下。 こんなはずではなかった毎日。 ――生きていけなくはないけど、心のどこか開いた穴から零れ落ちるものの方が多くて、なかなか満たされない。誰かに手を差し伸べてほしい。そんなあなたにおススメしたくなったのが、「さみしい夜にはペンを持て」。 ……誰かに手を差し伸べてほしい、なんて言ったものの、この本、突き詰めていうと「自分でとことん考えろ」が一つのメッセージだと捉えております。 いや、古賀さんはこんなことは言ってない。大いなる意訳です。 とはい

Book Review|スマホ片手に、しんどい夜に。

大丈夫、大丈夫。いや、ほんとに。 大人たるもの、自分の機嫌は自分でとらなきゃね! ・・・いや、本当に大丈夫だって! もっと大変なこと、よくあるから。 今日は全然楽勝だったわ~! そうやって笑顔振りまいて。 今日も一日、何とか無事におつかれさま。 ――この本を手に取ってほしいのは、そんな人。 2024年の1冊目に選んだのは「スマホ片手に、しんどい夜に。」。X(旧Twitter)で80万人超のフォロワーを誇る、通称「シャープさん」による書籍です。 大変さとやりがいと。そん

親も子どもも生きやすくなる、大人のための課題図書

夏休み、子どもたちと一緒に過ごす時間がぐんと増えたみなさま。 おつかれさまでございます。 どうですか? 疲れていませんか?? 私はこの夏休みが憂鬱で仕方ありませんでした。 なぜなら……そう、宿題のサポートをしなくちゃいけないから。 わかっているんです、これは子どもの宿題。 私が困ったり苦労したりする必要はない。 それでも、相談されればノータッチというわけにはいかず。 しかも何でもかんでも「自分がやった方が早い!」と 思ってしまいがちな私…… 見守り、任せ、いい塩梅で手を出