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Book Review 「たくさん読むよりじっくり読みたい」

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たくさん読むより、じっくりと。 今すぐ役に立つことより、じんわり効いてくる言葉を。 ライター・矢島美穂がゆっくり楽しんだ本をレビューします。不定期更新。
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#本を出したい

たくさん読むよりじっくり読みたい|はじめに

たくさん読むより、じっくりと。 今すぐ役に立つことより、じんわり効いてくる言葉を。 今年の読書に思い描くのは、そんなこと。 * 所属して3年目になるオンラインコミュニティがある。 自分の内側と向き合い、他人に流されない自分なりのあり方を模索している。 親和性の高い仲間が集う、大好きな場所。 学習欲が高く、好奇心も強いメンバーには、読書好きも多い。 おすすめの本も次々と舞い込んでくる。 けれど――ここ最近、そこで話題になった本を手にとっても、ピンとこないことが続いた。

100人の一角で。昨夜、私が小さく泣いた話をしようか

昨日の夜は、青山ブックセンターに。ライティングの師と仰ぐさとゆみさんの、「本を出したい」出版記念トークイベントがあったから。 その中盤、あろうことか100人の参加者に囲まれて、マイクを持ちながら、人目も憚らず涙したのは私です。 そんなアナウンスで始まった今回のイベント。 「この仕事を選んだ理由の一つは、考えるのが好きだから」というさとゆみさんと、「大抵のことは考え尽くした」とサラリと言いきる編集のりりこさん。参加者からのボールを受け止めて、お二人の深くて広大な思考の海か

Book Review『本を出したい』~これはもはや「唯一性分析本」!

ライター・コラムニストの佐藤友美(通称・さとゆみ)さん。さとゆみさんが主宰する「東京道場」と銘打たれたゼミを受講し、烏滸がましくも、私も教え子の仲間入りをさせていただきました。 そんな師匠が、先日の最新の著書を出版。 その名も、「本を出したい」。 ――タイトルだけを見たら「自分には関係ない」と感じる人、少なくないと思う。けれど、それを理由にここで離脱したら、きっと損します。 確かに、「本を出したい」人にとっては、そのための着眼点やHowToを惜しみなく(いや、むしろ”

Book Review|先送り0(ゼロ)―「今日もできなかった」から抜け出す[1日3分!]最強時間術

いきなりですが、問題です。 今日の次にやってくるのは?――きっと「明日」と答える人が多いでしょう。 でも、正解は「今日」。 私たちの前にやってくるのはいつも「今日」。 ところが、今日がやってくると、私たちはいつも「明日」を見据え始める。 その「明日」はやがて今日になるのに。 私たちが生きられるのは、「今日」しかないはずなのに。 「今を生きる」ってなんだろう? どうやって今を生きたらいいんだろう? その手掛かりをつかみたくて手を伸ばしたのが「先送り0(ゼロ)―「今日もで

Book Review|神さまたちの遊ぶ庭

読んだ人が、みんなこの本を大好きになってくれる。 だからぜひ読んでほしい。 ――著者自らそんな風に表現する本って、なかなかない。 そして、まんまと私も大好きになってしまったのが、「神さまたちの遊ぶ庭」。 著者の宮下奈都さんの代表作と言えば、本屋大賞も受賞し映画化もされた「羊と鋼の森」。まさに私が「じぶん実験」を始めた3年ほど前、この1冊をきっかけに宮下さんワールドにどっぷりはまった時期があります。が、その時は「神さまたちの遊ぶ庭」は読まなかったんです。図書館で見当たらなか