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ワタナベミホ
2022年1月19日 11:54
勇気があって純粋な男の子は病を治すための旅を始めました。かつての颯爽とした様子は見る影もありません。身体中が出来物に覆われ、しゃがれ声で、足を引きずりながら歩きます。東の果ての森の賢い人に会えないかと森の端の村で1ヶ月粘りましたが無駄でした。あの日会えたのは本当に奇跡だったのです。男の子は旅費にするために、あの日、森の賢い人に貰った薬を村の人に売りました。森の賢い人の評判はすごいもので、薬
2021年12月24日 10:13
賢くて繊細でものがわかりすぎる女の子は風が囁くのに耳を傾けます。『森の入り口へ行って。森の入り口へ!』女の子の脳裏に南の森の入り口の風景が浮かびます。あそこの近くにはベリーの群生があって、今時分はちょうど実りのときです。女の子のお腹が鳴りました。「わかった。ベリーをたくさん摘んでジャムを作りたいと思っていた」女の子は籠にキノコとナッツのサンドイッチと水をつめます。風がもう一度囁き