混乱を極める医療現場に向かう新人メディカルスタッフの研修で思ったこと

今年も全国各地、新社会人となる多くの新人さんたちがいます。
私が接遇研修を担当している都内の病院でも、20数名の新入職員を迎えました。

今年の入社式は、どの企業も新型コロナウィルスによる感染拡大防止のため、軒並み中止や延期、インターネット配信で開催するところもあります。

病院については、こんな時期だからこそ、新人をいきなり現場に放り込むことはできず、出来うる限りの感染防止策をとって院内研修を行なっているところがほとんどだと思います。

先日、私も接遇研修を行なってきました。

私が作るプログラムは、お辞儀の角度や敬語の使い方などの一般的な企業の接遇ではなく、自分が働く病院を誇りに思えるような「自分の役割と印象管理」について深掘りする内容です。

いつもはこんな感じ

ただ今回は配属先でいきなり経験するであろう、歴史の教科書に載るレベルの伝染性疾患による未曾有の大混乱な現場。不安げな表情の新人さんたちを想像して大幅にプログラムを変えました。

病院には様々な職種のスタッフがいます。病院の駐車場誘導、医事課受付、外来、検査、病棟、、、事務員、清掃員、医師、看護師、臨床検査技師、放射線技師、薬剤師などです。誰か一人でも欠けると、患者の治療やケアはできなくなります。

だからこそ、自分の業務や治療ができるよう支え合っているスタッフのことを、お互いに思い合って欲しいのです。

twitterで流れてきたこちらの動画。思わず私も拍手してしまいました。
医療行為をしないスタッフも含め、皆が患者の治療に携わる人だと多くの方に知ってもらいたいです。


学生としてでなく、国家資格を持つプロとして病院で働き始めることは、とてつもなく心身にストレスがかかるライフイベントです。
そしてすでに院内で働いている先輩スタッフも、新しいスタッフの育成と同時に患者の治療を行うという、慣れない環境にストレスを抱えます。

この時期、自分が想像する以上に心身は疲弊します。いつもならそれほど気にならないことも、疲弊した身体には通常の2倍3倍のストレスがかかります。
それがトリガーになってうつ状態になる人もいます。

だからこそ、つらくなったときは「つらい」と口に出していい。
自分が思うよりずっと身体は疲れ切っています。
休みの日はとにかく寝る。

もし「つらい」と打ち明けてくれた人がいたら、解決策や良い言葉をかけられなくてもいい。ただただそばにいるだけでもいい。
自分のつらい気持ちを否定せずに聴いてくれるだけで、味方になってくれたと安心できます。

何かしてもらって助かった時は「あなたがやってくれてすごく助かった!ありがとう!」と言葉にして伝えてほしい。
人の役に立つことは、自分の自信につながります。それはとても大きな力になるのです。



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