残像問題について考える
キャリア戦略について考えるのが大好きな森数美保です!株式会社ミライフで、エグゼクティブキャリアデザイナーをしたり、企業の組織に関するお困り事を解決したりしてます。中1の娘と小5の息子がいます。
先日、残像問題について呟いたら「わかるーー!」って声をたくさんいただきました。
産休育休を経て復帰する時、悩むのが
- フルタイムで復帰するか、時短にするか
- 役職者の場合、そのまま復職するか降りるか
私は、マネージャー職のままフルタイム復帰しました。
理由はいくつかあります。
この"残像問題"!すごく厄介だと思ってます。
産休育休に入る前の私を自分も周りも知っている。状況は変わったとはいえ、本人が変わっているわけではない。
子どもの運動会で全力ダッシュして足がもつれる(イメージと実態の乖離)みたいな感じなのかなと思ったのですが、自分自身はなにもかわってないのでちょっと違うか。
残像問題を強制リセット
私は、この残像問題をうまく乗り越えられませんでした。
限界まで働いて「もう無理だ!」と退職しました。しかも、次の転職先を決めることなく…(決めたら早いのは相変わらずです笑
で、どうしたかというと、
「以前の私を知らない会社」にいくことでクリアしました。
つきまとう残像を強制リセットしたわけです。
この作戦は、一定正解でした。
「定時で帰るみほさん」が通常モードだと捉える会社に入りました。気持ちはずいぶん楽になりました。早く帰る罪悪感からの解放ですね。
リセットしきれない残像問題
でもね、また悩まされるんです。その原因は "自分" です。
周囲が「以前の私」を知らなくても、自分は知ってる。
自分自身は残像を見続けてるんですよね。
「あの時のように働きたい!」「前はあんな風にやれてたのに…」
という気持ちを捨てきれない自分がいました。
そんなことを言っていても何も変わらないので、「ライフイベントがあったから、キャリアを見直すキッカケになった」と自分に言い聞かせ、そこから6年はセーブしました(その間に社会保険労務士の資格とったり、ドライブをかける準備は進めていました)。
残像問題以外の大きな壁
①働く時間が固定されるのつらい
「足し合わせて8時間なら働ける」
「その日足りなくても、1ヶ月で8時間×営業日数はいける」
ってことあるよね。
でも、その日の時間が足りなかったら控除。
抜けるたびに、周囲に謝る日々。
そうなると、時短勤務の方がいいのかな。いっそのこと辞めた方が…?と思っちゃう。
通勤時間をなくして、足し合わせて8時間なら働けるけど、制度上無理だからキャリアを諦めてるって人は多い。多いのよ。
転職活動中、どんなに「いいなー」と思っても、働く時間が固定の会社は選べませんでした。実際には社内で臨機応変にやってたとしても、ルールがある以上自由にはできないし…。今回の転職活動でもそう。フレックス制度のない会社は諦めました。
②がんばりたいのに肩身が狭い
「時短で働かせてもらっている」「急な休みで組織に迷惑かけてる」
という気持ちでいる人も多い。
「少しでも挽回しよう!と仕事を持ち帰って家で仕事をしてると、家族の視線が痛い」これもあるある。
会社でも家でも居場所がない。応援されてない気がして心が折れる。
③アンコンシャスバイアスにやられる
「夫と協力して乗り越えよう!」となっても、アンコンシャスバイアスの圧に押しつぶされそうになる。
ツイートは一例ですが、
「小さな子どもがいるから、この仕事は無理だろう」と気を遣われてチャンスが回ってこないということもあるし、
「小さな子どもがいるのに、なんでこんなに働くの?」
「子どもが小さいうちは、母親がそばにいるべき」
という言葉に悩まされることも。
「私は母親失格なのかもしれない…」
働く罪悪感を抱えながら働いていました。
残像問題が解消される時
キャリアドライブを踏み直した今、残像問題は解消されました。
働き方の変化も大きかったです。フルリモートワーク × フルフレックスのおかげで、いろんな壁を乗り越えられているように思います。
ただ、働く罪悪感はまだあります。
夕方にご飯を作るために抜けて、またすぐパソコンの前に戻る。子どもと過ごす時間は意識的に決めてとっていますが、家にいても「ずっと仕事している人」になっちゃってるので、子ども達は我慢してるだろうと思います。
「過ごす時間の長さより質だよね」と思いながらも、毎日葛藤してます。
まだしばらくこの葛藤は続くんだろうなぁ。
* * *
子どもが小さい時は、「仕事はママを奪うものだと思われないようにしよう」と意識していました。今は、「"働くって面白い" と子どもたちに思ってもらいたい」と思っています。
誇れる仕事をしよう。
自分自身が成長しつづけよう。
笑顔で過ごす時間を何より優先しよう。
今は正解が何かわからないけど、きっと大丈夫!一歩ずつ前へ。
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