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加トちゃんケンちゃんごきげんテレビが好きだった

『8時だョ!全員集合』は、毎回ほとんど同じオチだったはずなのに、毎週見ていた。ひょうきん族よりも断然全員集合派。

そして、私的に志村けんさんの番組の中でもっとも好きだったのが、『8時だョ!全員集合』の後に放送された『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』
番組内のコーナーで、THE DETECTIVE STORYというのがあって、それがすんごく好きだった。テーマ曲もたまにくちづさんだりする。

「私だ」っていうボスからの電話で始まるんだよね。
「私だ」の後に流れる緊張感ある効果音、その音のあとの、加トケンの面白おかしく探るような表情…。
毎回一緒なのよ。本当に毎回一緒。

加トケン_場面写真1


なのに毎回笑っちゃうし、「今夜はなにが起こるんだろう!」ってワクワクしてた。実は巨額の制作費がかかっていたみたいで、『たった10秒のシーンのためにエキストラを200人起用したり、500食分の弁当、フランス料理をひっくり返したり、ハリウッド映画顔負けのカースタントを織り込んだカーチェイス、ヘリチェイスや爆破といったシーンをも撮影した(Wikipedia参照)』時々放送されたスペシャル番組はエンターテイメント性もすごかった。

志村けんさんの伝説的なギャグ、「だいじょうぶだぁ」もこの番組から生まれ、その後の番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』にも繋がったわけです。


一過性のお笑い、スピードの早い芸能界。
この時代のやり方なんかが目について、それは音楽もそうなんだけれども、なんというかちょっと私は時代の流れに追いつくことが苦手だなぁと思っていたりもする中で、志村けんさんと言う人は、老若男女知っている。
「あいーん」とか「だいじょぶだぁ」とかバカ殿様とか、最近では志村動物園とか。世代が変わればそれぞれの時代の志村けんさんがいる。

そんなスーパーマンを失った悲しみは大きい。
訃報を聞きつけてから心が塞がって、ニュースもネットも見れなかった。
油断したら泣いちゃうかもしれないと思ったから。

しかし、涙を堪え、やるべき仕事をし、1日を乗り切ったかなと言う夜中、
ついに心の線が崩壊して号泣した。
ワインを飲んでいたからかもしれないし、その時取り掛かっていた音源作品を聴きながら心とダブった部分もあったかもしれない。

でもとにかく涙止まらなかったなぁ。

芸能人の訃報でこんなに胸が押しつぶされそうになったのは、いかりや長介さん以来だったかも(長さんの場合は、踊る大捜査線の和久さんという役所も大きかった)しれないし、あんなに泣いたのは初めてだった。


私たちは絶対に失っちゃいけない人を失い、彼をこの世から奪い去った最大の敵に対して警告をすることになる。

「もう好き勝手にはさせない」

まるで映画の中にいるみたいだなと感じる。
絶体絶命をむかえ、絶対にいなくなって欲しくない登場人物を失うタイミング。それが物語の序章なのか、中盤からラストに向けての転機なのか。
もちろん後者を願うけれども、願うだけでは勝てないから。
あらためて考え直し、やれるべきこと、すべき対策をする。

やれることしかできないから、やれることをする。

志村けんさんがそれを伝えたかった?そんなわけはない。
生きたかったはずだよ。
でも、結果的にそう受け取った。
無駄にはしない。

今まで本当にたくさんの笑いと幸せをありがとうございました。
天国で、長さんに突っ込まれまくってください。



「最初はグー、またまたグー、いかりやチョー介、頭がパー、正義は勝つ!」






(使用写真)
「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」場面写真(製作著作TBS)


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