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ホンモノになるには利己的でないといけない

それをやるとあなたにどんないいことがありますか?

という質問をコーチングセッションではほぼ毎回、クライアントさんに投げます。とくにライフワークや仕事がテーマの場合は必ずです。

そしてほとんどの方が、お客さんの笑顔とか、ありがとうございますと言ってもらえるとか、あなたのおかげですという言葉とか、相手が変化するのを観れる、とかと答えます。

わかります。そういうものは私たちに「お役にたてたなあ」という喜びをもってきてくれますよね。

でも、これを目的にしているとどこかで苦しくなってきます。なぜなら、お客さんの笑顔も、ありがとうやあなたのおかげですという言葉も、相手の変化成長も、相手次第だから。

相手がそうした反応をしないと得られないものだからです。相手の反応に自分の喜びを依存しているのです。あなたはすばらしいです、という言い方を求めてはいないものの、やっぱり他者からの自分への評価、承認に幸せの基準、活動の目的をおいているということです。

コーチ業を始めたばかりのころ、師匠コーチに私自身もコーチングしてもらっていました。冒頭の質問を投げられ掘り下げ、自分の中の、感謝や相手の成長や、人とつながるといった目的と出会い、まるで天使に迎え入れてもらったかのような喜びを感じて語ったものです。

でも師匠にはずばり、それは相手がいないと得られないね、と。ありがとうと言ってもらえなかったらやらないのか、相手が変化しなかったらやらないのか、そう聞かれたのです。

なぜそれをやりたいのか、この問いの答えは、お客様の笑顔というキラキラした目的の先にあります。

その答えは別にキラキラした美しいものでなくてよいのです。崇高なものでなくていい。むしろもっと、原始的で根源的で、自分が幸せになることでいいのです。

自己完結するものでないと無理があるのです。

たとえば、自分の知識や経験を話して人を助けたい人がコーチになろうとしたとします。でもコーチングは相手に話させる時間の方が圧倒的に多い仕事。自分が教え語るのではなく、聴く力が求められます。

でもその人もコーチングをする理由として、他人の成長が嬉しい、と語るかもしれません。しかし本当はコーチではなく聞いてもらうとうれしい、という喜びが根源にあるなら、聞くばかりのコーチをしていると苦しくなるはず。

私がコーチをしている理由?

楽で心地いいからです。私には人の話を聞いて、エネルギーの乗っている言葉をキャッチし、それを深堀りし、最後に私の根源とその人の根源がつながって、その根源から流れてくる概念をリーディングのように言語化する才能があります。

これが才能だとははじめは気づいていませんでしたが、なぜこんなことができるんですか?とほぼ毎回聞かれるうちに、こんなに当たり前にできるのに、それは全員にできることではないんだな、と気づきました。

なので、これをやることはとっても楽でなんの準備も努力もいらないのです。しかも、やっていることでエネルギーの循環が起こり、相手だけでなく自分にも浄化が起こります。それがなんとも心地がよい。

喜んでもらえたり、感謝されたりもうれしいですが、あくまでおまけ。浄化の心地よさが私がコーチングを続ける理由です。とっても利己的な理由です。でもだからこそ、セッションではなんの忖度も遠慮も生まれません。本当に浄化が起きたかどうか、自分事だから分かります。相手の都合を伺っていては濁ってしまいます。相手のためではなく自分のためだからこそのクオリティなのです。私以外のなにものにも影響を受けないセッションなのです。

この理由にたどり着くまで、時間はかかってしまいました。

利己的な理由ですることを自分に許したり、またもっと壮大で天国の使命っぽい理由でないことでがっかりしたり。

利己的であるからこそホンモノ。そう確信できてから、その活動や自分の才能で他者も幸せになるんだ、と自信が持てる理由になりました。

キラキラしていたり、壮大だったり崇高だったりしなくていいのです。世界中の人を救おうとしなくていいんです。救いたいなら自分が救われることを理由にすればいいのです。自分も救えない人は世界を救えないです。逆に自分を自分で救える人は世界を救えます。

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