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こんな再開発はイヤだ「元再開発コンサルの禊☆Night」から考える、再開発のリスク(夢物語を疑ってみる大切さ)

「元再開発コンサルの禊☆Night」企画を実施


先日、元再開発コンサルの宮本 恭嗣氏の多大なるご協力を得て、再開発のリスクについて知る企画を実施しました。
「夢ばかりではない、デメリットも多い再開発のリスク」を多くに人に知って欲しいと思い、夜なべしてダイジェスト動画を作成しましたので、ご笑覧ください(ぜひ、音声をONに!)。宮本さん、遊んでごめんなさい💦。

俺みたいになるな!「元再開発コンサルの禊☆Night ダイジェスト(2分)」
クリックするとyoutubeに飛びます。

見逃し配信の閲覧権が購入できます「こちら」ので、ご覧いただけると嬉しいです。3月31日まで!

以下参加いただいた方のご感想です。意図を受け取って下さり嬉しい(涙)。

●題名にうまーく裏切られた感じでしっかり勉強できました、ありがとう。
●「元経営コンサルの禊」面白かったで~す。千葉市の西口の話も少し出て、なるほどな~なんて思ったり。でも、税金目当てのデベロッパーが沢山跋扈した時代、とんでもない金額が飛んで行って(笑)、かつ今でも金食い虫になってるんだよね(;'∀')
●やっぱり今の時代お金をかけての開発は不合理に近いという感覚を持たないとなんですかね。よく認可したなと思う事業も、今後も同じことが起きることは十分にあると警戒しなければ…
●今後、再開発の話が出た時に、わからないと諦めずに、ついていこう!という気になれました。共用部分に出ている補助金でも、実際は不特定多数の人は入れないとか、区分所有法には解体までのお金を考えないとダメだとか、知らないことを知る機会になりました。ありがとうございました。
●見ました。メッチャよかったですね。タワマン=垂直密集住宅地とか、宇都宮の事例とか。。。
●見ました〜。面白かった〜。再開発の界隈にいる人の苦悩がヒシヒシと伝わってきました。
●めちゃくちゃ面白かったです!再開発事業を夢のような事業と思っている人たちがまだまだいるので今回のお話を踏まえてしっかりと説明していこうと思います。

私も、再開発コンサルの方に「応援して!」と言われたこと、あります。


流山市でも大分前、再開発コンサルの方に、ある地域の再開発の構想を見せられ「応援して!」と言われたことがございます。
プランを見ると、どこにでもある再開発の典型的なプランで、地域特性を活かしたものではありませんでした。むしろ過剰投資に見え、下手をすれば街が死ぬな・・とすら感じました。
キラキラした話に否定的な意見申し上げるのは憚れますし、投資に見合う需要が十分あれば乗り切っていけるとも考えられますが、ばくち的側面は否めませんでした。

そもそも再開発って何?


正式には市街地再開発と言いますが、土地が細切れだったり、建築物が密集している地区において、敷地をまとめることによって、公園や街路などを整備することで、防災力を高めたり、よりよい環境へのリニューアルを目指す開発手法です。地権者の土地の価値相当分のマンション床を権利床として地権者に渡し、上澄みして建設した床(保留床)の譲渡費用を開発の事業費(デベロッパーへの費用分)として捻出します。
国交省のページに以下の概念図がありました。あたかも権利床(地権者分)と保留床(デベロッパー分)が1:1で書かれていますが、実際は保留床の割合が大分高くなるようです。

再開発になれば、行政から大幅な容積率の緩和が受けられるので、高層のビルを建て「床」を作ることができます。補助金も出る。しかし、この事業が第一種市街地再開発事業で、保留床が売れないなどして事業損失が出ると、地権者が負担しなければならない仕組みになっています。保留床が売れても、事業者は保留床さえ売り切ってしまえば事業終了となりますが、高層ビルは少なくとも50年は建ち続けるでしょうから、いつまで床の需要を維持できるかは、そのエリアの力に依存します。

以下の記事を見ると、いまの日本の一人あたりGDPは、OECD平均との対比でも、またアメリカとの対比でも、1960年代末から70年代初め頃と同じ状態にあるとのことで、土地を持っていれば価値が上がる時代から、場所によっては持っているだけで負債になるという状況も発生しそうです。

現在のこの状況に鑑みれば、需要を見ながら等身大の開発をするのが良く、(再開発に限らず)痛みが伴わない補助金は、過剰投資を誘発し、その街が本来持っている良さを失くしてしまうリスクが高いとみるのが自然です。

国土交通省からも、アラートが

国土交通省からも、今後の市街地整備の在り方に対する検討会が行われました「こちら」。

今後の市街地整備の在り方に対する検討会(概要資料)

以下、書いてありますね。

行政が中心に公共空間確保・宅地の整形化・建物の不燃共同化を大規模に志向した開発から、「公民連携」で「ビジョンを共有」し、「多様な手法・取組」を組み合わせて、「エリアの価値と持続可能性を高める更新」へ。その際、地方都市と大都市の違いを認識した上で戦略を立てることが重要

皆様にどこまでご理解いただけるか分かりませんが、私も分かりやすく発信していくことを研究して行きます。

某自治体市議会議員の感想コメントが、的を得ていたので共有します。

こんばんは。アーカイブを視聴させて頂きました。興味深い講演で、頷きながら視聴させて頂きました。
再開発の評価としての「地価の推移」で比較は分かりやすくていいですね。
宮本さんが仰った「タワーマンションにほとんどない共用部に税金を投入することの意義」については、再開発事業の問題の核心だと思います。また、宇都宮の例でもあった、高齢者がブランド地名のマンションを買う「ステータス」も右肩上がりの時代の名残なのかもしれませんね。
再開発事業を進める際、地主や借地権者が大きな顔をして、その周辺に住んでいる人たちは割と置き去りになりがちです。
また、置き去りになっていても、「何となく価値が上がる」という幻想が、再開発を総論的に賛成していく周辺住民の意識、また、懐疑的な主張をする人を村八分にしていくという同調圧力もあり、再開発幻想の意識を変えていく機会が必要と思っています。
某所が再開発で高騰し過ぎて、地主は家賃を3倍に上げざるを得ないし、テナントは家賃で厳しくなるしという声を聴いているので、現実なので、建ってから悩んでる人も多いので、見通しのチェックを私たち政治の立場からしっかり示していかないといけないと反省しました。
タワーマンションの解体費用の積み立てのお話も至極もっともで、昨今の特定空き家の問題や私道の公道移管など、防災対策で税金の大量投入が必要になりそうな案件がたくさんあります。防災対策の再開発、BIDの検討等、まちの価値とまちを形成する人たちの適正な負担、規制強化の話もありましたが、交通規制を厳しくしていくこともまちの価値を高めるチャンスになるので、まちづくりの考え方について見直す必要があると思います。


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