急須の選び方
三保原屋本店は静岡の家庭用品専門店。創業は1687年といわれています。
ペットボトルのお茶でも「まるで急須で淹れたような・・」と表現されることもありますが、やはり急須で淹れたお茶は美味しいです。
そして、、お茶は色々なことが言われてしまうのですが・・
三保原屋は色々なお客様がご来店くださるお店なので、最終的には好きなものを使うのが一番良いのかな??と思っています。
気軽に急須を見ていただければと思っています。
今回は急須の選び方について。
大きく言えば
①蓋の精度
②網のタイプ
③容量
④見た目
ですが、最終的には「持ちやすさ」や「好み」を超えるものはないと思います。
①蓋がピタピタか
昔から良い急須(特に常滑焼や萬古焼)は、お茶が美味しく飲めるように「蓋がピタピタ」につくっていると言われます。("ピタピタ"は、蓋が本体に対してピッタリという意味で個人的な表現です。)
なお、ポットに関しては、蓋と本体が、ここまでピッタリしているものは少ないかなと思います。(例えば、急須作家さんが作られたポットなどは、蓋と本体がピタピタになっているものもあります。)
②網のタイプ
茶葉から選ぶ
使う茶葉のタイプによりオススメが違います。
静岡は「深蒸し」と呼ばれる、細かい茶葉で飲まれる方が多い印象です。
細かい茶葉には、茶葉が出にくい
・帯網
・底網
・カップ網
のタイプがオススメとされています。
一方で、シングルオリジンなどに多くみられる「浅蒸し」と呼ばれる、大きな茶葉で飲まれる方は
・陶器製の茶こし(セラメッシュ)
がオススメです。
↓おへそのようなタイプは、昔から土瓶などでも用いられていましたが、現在は作家さんのものにも多いような気がします。
素材から選ぶ
金属の匂いが嫌いな方には、陶器製の茶こし(セラメッシュ)がおススメです。
洗いやすさから選ぶ
これは、お店によりオススメが変わります。
「何をもって洗いやすいか??」は人によって違うからです。
このあたりは、取り扱い店舗のスタッフさんと相談するのが良いと思います。
③容量
静岡では大きな急須やポットが好まれますが、一般的には満水で300ml~400mlの容量のものが多い印象です。
普段、どれくらいの大きさの湯呑・コップに、何杯お茶を淹れるかを考えて
満水表記のものの場合は、実際にお茶を淹れる際は70%~80%程度しかお湯が入らないと思います。
④見た目
ここからは、より「好み」の話になっていきます。
形状
同じように見える急須でも、形が異なることがあります。
茶葉が広がるように・・ということで、新茶の時期は
・底面積の広いタイプ
をお探しの方もいます。
最近は、急須作家さんがポットタイプを作られることもあり、様々な価値観が生まれているので、商品を見るのはとても楽しいです。
色
元々は、急須は愛知県の常滑が有名な産地です。(三重県の萬古も有名です。)
お茶が好きな方なら
「常滑の土は鉄分を豊富に含んでおり・・・そのため、お茶を美味しく淹れることができる・・」
という話を耳にしたことがあるかもしれません。
その鉄分の影響で、従来の急須は茶色(朱泥)が殆どでした。
一方で、最近は、急須を焼く際に、
●一定の環境下で焼き上げることで黒や、グレーの色に焼く
●土そのものに色をつけて焼く
ことがあります。
「現在のインテリアにマッチするような色」に仕上げることで、様々な方に選ばれやすくなったのは、良いことかなと思っています。
製造方法
より焼き物に詳しい方であれば、製造方法に注目しても面白いと思います。
【クルクル回る作り方】
・ロクロによりつくられたもの
・ぐるぐると回転する「動力成型」でつくられたもの
【仕上げりが少しツルっと】
・鋳込みによりつくられたもの
と、製造方法により、商品の出来上がりの印象が変わることがあります。
急須はつくるのが大変
急須はパーツの多い焼き物。
多くの急須は・・
胴体・持ち手・蓋・蓋のツマミ、茶こしと、細かく分けると5パーツに
分かれて製造され、それらが接合されています。
工程が多いと・・
①工程が多いと道具も多くなる
②道具が多いと、新規投資額も多くなる
③生活道具のため価格を抑えなければならない
という状況になるので、
大きな急須メーカーさんが新規で起業されることは殆どないかと思います。
(作家さんで独立や起業もありえますが、お皿などとは全く別ジャンルだと思ってください。)
もしも、ご実家に良い急須が眠っている方は、ご実感のものを使ってみるのも良いかと思いますし、近隣の専門店さんのスタッフさんと一緒に商品を触ってみるのも良いと思います。
いずれにしても「急須でお茶を淹れる時間」を是非楽しんでいただければと思います。
ちなみに鉄瓶を使いたい方はこちらもご覧ください。
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