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日傘選びの言葉について

三保原屋本店は静岡の家庭用品専門店。創業は1687年といわれています。
お店では、キッチン雑貨の他、陶器、洋服・服飾や、タオル、傘などを扱っています。
今回は、傘の話。

近年の猛暑などで、日傘を求められる方が非常に増えています。
三保原屋本店も2024年は6月8日に傘ソムリエ土屋さんをお迎えし『カサコレ』というイベントを開催します。

※noteに記載のある波形などはイメージです。予めご了承ください。

機能のイメージ

日傘を選ぶ時の主な機能ですが・・
①遮熱
②遮光
③UVカット
というものがあります。

バラバラに説明を聞くと分かりにくいと思いますので、一括で説明をしてみます。

太陽からの光

イメージが分かりにくいと思いますので、一度整理をしましょう。
太陽からは様々な光が発されます。(図はイメージです。)

こーゆーときに、小学校・中学校・高校の勉強をちゃんとやっておけばよかったと感じます。

左は「赤外線」。
浴びると温かさを感じると言われているものです。

真ん中は「人の目で見える光(可視光)」です。
虹の色=人間が見える色というイメージ。

右は「紫外線」。
UVとも言われますね。影響は皆様の方が詳しいと思います。

「どの光を遮断するか??」で、日傘の機能がイメージしやすいかなと思います。以下、光の種類と、日傘の効果を記載しました。

傘の機能として

①遮熱

一番お伝えするのが難しい機能です。

熱を遮る機能です。涼しさを感じたい方にオススメです。
が、特に外では「涼しさ(体感温度の変化)」は人や環境(風・湿度など)により異なるので一概には効果が表現が出来ないのが難しいところです。

サーモグラフィなどによる実験を行い、遮熱率35%以上であれば遮熱効果があるとされています。(以下、アンベルというメーカーさんのサイト)

2024年現在では「完全遮熱」というものは出回っておらず、商品のタグにも「遮熱効果」とは書かれているものの「遮熱率●●%」といった記載は少ないようにも感じられます。
この言葉が世の中に正しく浸透するまでは、そこまで細かい記載があっても消費者にとって難しくなるだけなのかな??とも感じます。

②遮光

光を遮る機能です。
よく日傘のキャッチコピーをみると「完全遮光」という言葉が目立ちますが、遮光そのものは眩しい光を遮るイメージです。

「涼しさを感じる(体感温度)」に対して、どれくらい影響があるのかは分かりませんが、お客様と話をすると「暗いだけで涼しく感じる」という方もいるようです。

一方で、目の関係で強い光に弱い方などには効果があると思います。

③UVカット

日焼け止めでも馴染のあるUVカット機能。
一昔前は、UVカット=日傘というイメージでしたが、現在は多くの傘にUVカット加工がされている印象です。

ただし、加工の種類により、UVカットの比率が異なります。
中には色によってUVカットのカット率が異なるものもありますので、是非商品のタグをご覧ください。

なお、傘でUVカット機能があっても、完全に日焼けを防止できないことがあります。地面などから反射される紫外線などもありますので、帽子やアームカバーなどと併せて対策されることをオススメします。

気になること

近年傘に関しては様々な情報が飛び交うようになりました。

気になるのは、
「完全●●」
「100%●●(99.99%●●)」
など、強い言葉が多く印象付けられていることです。

もちろん傘の生地としての実験効果を記載しているので表現に問題があるわけではありませんが、強い言葉に引っ張られ過ぎずに、期待している効果がちゃんと得られるのかを(三保原屋に限らず)店頭スタッフにも確認してお買い求めいただく方がいいかと思います。

(細かいことを言えば、傘の生地での実験→傘での実験→外で使った時の実験など、実験の前提が異なれば結果も異なる可能性はありますし、それに言及しているメーカーさんもあります。)

特に、最近は大き目のサイズが好まれる傾向にありますが、過度に大きなサイズは強風にあおられ傘の故障リスクが上がることがあります。

最後に

この傘がオススメ!!という記事を沢山読むよりは、まずは、「遮熱とは」「遮光とは」「UVカットとは」の理解がとても大切だと思います。

とにかく情報量が多い世の中です。「情報に使われる」のではなく、「情報を使える」ように、なんとなくのイメージを持って商品をお選び頂ければと思っています。


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