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バイトと仕事と、ウィンナーコーヒー。高松「南珈琲店」

「老舗の人気店だから」なんてミーハーな気持ちで訪れた高松・南珈琲店。1975年から営業開始されているのだとか。

10:30頃訪れたら、4人テーブルに相席の形で待たずに入れた。老舗店だからなのか、客層は高めのおじいちゃん、おばあちゃんが多く、新聞を広げている人、スーパーのビニール袋を脇にかかえて席につく人など「地元の人が通う場所」感がひしひしと伝わってきた。

ここで頼んだのは、ウィンナーコーヒー。このコーヒーの存在を知ったのは、学生時代のカフェでのバイトだ。バイト初日、先輩からコーヒーの作り方を教わっていたとき、ウィンナーコーヒーの番が回ってきた。

「コーヒーを淹れたら冷蔵庫からウィンナーを出して、2等分してコーヒーの中に入れるんだよ」

そんな先輩の教えを純粋に守り、ウィンナーを冷蔵庫から取り出したところで「嘘だよ」とにんやり先輩が笑った。

いたずら好きの先輩の顔を思い出していると、思い出のウィンナーコーヒーが目の前に用意された。

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思い出のエピソードがついているウィンナーコーヒーだけれど、あえてお店で飲み始めたのはほんの2年ほど前。台湾人の同僚が好きなことを知ってからだ。

台湾にはウィンナーコーヒーという商品が無いから、日本的で好きだという。ウィーン発祥だからウィンナーコーヒーとは言うものの、自分の国にないとそれは「日本的なもの」になる。意外な所に日本らしさって隠れているし、それがわかるのはやっぱり、「違うこと」を知っている人なんだよな、と思う。

同僚の話を聞いてから、喫茶店でメニューを見るとウィンナーコーヒーを頼むようになり、そういえば…と学生時代の記憶を思い返すようにもなった。

記憶と今を繋ぐものは一見関連性が無くて、ずいぶんとバラバラなもの。忙しなく働く店員さんを眺めながら、そんなことを考えた。

南珈琲店の記憶はこれから、どんな"今"に引き寄せられるのでしょうか。

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